どうも、日常7〜8本の有線イヤホンを取っ替え引っ替え使っているイヤホン大好き…なぐです。(笑)
今日はセブンイレブンで千円で買えるイヤホンのHA-FX711F-B(JVCケンウッド)のレビューです。
セブンでの買い物ついでに千円のイヤホンが目に入ったので、試しに買ってみました。
型番としてはHA-FX711F-BでJVCケンウッド製でセブンイレブンのみでの販売らしいです。まあ、千円ですから…興味本位のみでまったく期待もせずに買いました。
シンプルな縦長のパッケージで開けてみると、見た目はブラックの金属っぽい(プラ製)筐体のイヤホンが出てきました。なかなかカッコよい感じ。このあんまり期待せずに買ったイヤホンがとんでもなく凄いヤツだったんですけど…それまでのくだりをまずは説明。
イヤーピースがショボ過ぎる!
まあ、販売価格を考えると…しょうがない気もしますが、作りはショボいです。しかも、なぜかサイズが異様に小さいです。「小人さんサイズですか?」って思うくらい小さいです。(笑)付属のイヤーピースのサイズがなぜか、XS、S、Mの3サイズ。Mサイズのが最初から着いていますが…これも小さめ。自分は耳のサイズが大きいので、大抵はLサイズのものを使うんですが、Lサイズがなくて…小人さんサイズのイヤピが付属という謎のパッケージング。
とりあえずMサイズで聴いてみましたが、スカスカでドンシャリの「シャリ」の部分が強調されて「ドン」の部分がスカスカで正直「使えない」レベルの印象…。
このままではしょうがないので、自分がいつも交換用のイヤーピースとして愛用しているJVCのスパイラルドットのMLに交換してみました…。
ここで奇跡が!なんと抜群にイイ音で鳴り始めました!
もうね…嘘みたいな話なんですが、イヤーピースを交換したら音が激変!タイトで迫力のある低音がズンズン!キレのある高音がキラキラ、広がりのある音場でボーカルが前に出てきます!「何コレ?」って感じでビックリしました。イヤーピースをぴったりサイズの良い物に変えただけでこんなに違うなんて!逆に、こんなに実力のあるイヤホンなのに、なぜあんなショボいイヤーピースを付属させてるのか?まったく謎です。
型番に見覚えが…もしや元となったベースのイヤホンはJVC HA-FX12なんじゃないのか!
JVC HA-FX12-G カナル型イヤホン グリーン実はJVCにHA-FX12という今現在でも発売されている低価格イヤホンがありまして…2014年に当時980円で購入して、音質の良さに感動して色違いで3本も買ったおぼえのあるイヤホンでした。
これで納得。あのイヤホンの兄弟機、あれを元に改良されたイヤホンであれば、これだけのイイ音で鳴るのも納得です。
HA-FX711F-Bの基本情報&スペック
- 2重構造ボディで音漏れを低減
- 高磁力ネオジウムドライバーユニットによる高音質再生
- からみにくいグルーヴケーブル
- 3サイズのイヤーピース付属
スペック
型式 | ダイナミック型 |
---|---|
プラグ | φ3.5mmニッケルメッキ・ステレオ・ミニプラグ [ L型 ] |
コード | OFCコード 1.2m [ Y型 ] |
質量 | 3.5g (コード除く) |
出力音圧レベル | 98dB/1mW |
再生周波数帯域 | 6Hz〜24,000Hz |
最大入力 | 200mW ※IEC(国際電気標準会議)規格 |
インピーダンス | 16Ω |
付属品 | シリコンイヤーピース:XS・S・M各2個 (Mサイズは出荷時本体に装着されています) |
再生周波数帯域 | 10Hz〜23,000Hz |
音質評価
※音質評価はすべてイヤーピースをJVCのスパイラルドットのMLに交換した状態での評価です。
高音部
★★★★☆
基本的に「ドンシャリ系」なので、高音部はクリアでヌケの良いです。キラキラ感もあって華やかな高音です。シンバルのクラッシュ音やオープンハイハットの音、ピアノの高音部などは少し「シャリ感」があります。耳障りという程ではありませんが、良く聴くと高音がシュワシュワする様な感じもありますが、価格を考えれば驚異的な表現力だと思います。
中音部
★★★★☆
各楽器の分離も良く、解像度もあって非常にクリアで純粋な鳴りです。特筆すべきは音場の広さです上下よりも左右に広がる感じは素晴らしいです。ボーカルもクリアにヌケて来ます。バランスとしては「ドンシャリ系」なので、中音部の押しがもう少し強くても良いかな…と感じる部分もありますが、充分すぎるくらいに満足出来る音質だと思います。
低音部
★★★★★
イヤーピースを変えたとたんにタイトで締まりがあり音圧を感じる良質の低音が鳴り始めました。アタック感もあって素晴らしい低音表現です。バスドラにタイトなキック音、ベースの重低音も千円という価格からは考えられないくらい高音質です。
解像度
★★★★☆
解像度もかなりのもので、各楽器の分離や定位も素晴らしく問題ありません。価格を考えると出来過ぎな感じさえします。
装着感
★★★☆☆
プラスチックの軽いボディですが、耳の形状に合うような筐体デザインになっているので、装着感は悪くないです。簡単に外れるという事もありません。充分合格点です。遮音性は高くはありません、外音は聴こえます。
製品写真
試聴してみました。
The Nightfly:ドナルド・フェイゲン
ドナルド・フェィゲンの超名盤『The Nightfly』です。80年代のアルバムですが、ドナルド・フェイゲンの凝りに凝った音作りのアルバムで、何より録音がとんでもなく素晴らしいアルバムです。自分がオーディオチェックに使っている定番中の定番です。「I.G.Y」のイントロのシンバルのシズル感、続いて聴こえてくる太く地を這う様にうねるベースラインも素晴らしい表現力です。特にアタック感のある低音はタイトで重みがあり実に迫力があります。各楽器の分離が良くこのアルバムならではの細かな作り込みの部分の再現性も素晴らしいです。ボーカルもキレが良く前へヌケてきます。千円のイヤホンとしてはありえないレベルの音質です。このアルバムを鳴らしきる実力はなかなかのものです。
Waltz for Debby:ビル・エバンス・トリオ
Jazzのピアノトリオと言えばこのアルバム。もう大定番の1枚です。繊細でリリカルなビル・エバンスのピアノの表現。このアルバムの録音のすぐ後に交通事故でこの世を去ってしまう不世出の大天才ベーシスト…スコット・ラファロのベースの深い音もタイトで暴れることなくきっちりと美しく表現してくれます。このアルバムはライブ盤でお客さんの話し声やグラスがぶつかる音など会場の雰囲気がリアルに伝わる録音なんですが、細かな音まで緻密にひろってくれています。コンビニで千円で買えるイヤホンがここまでの表現力を持っているのは奇跡的だと思います。
セブンイレブンで千円で買えるイヤホンHA-FX711F-Bまとめ
最初付属のイヤーピースで聴いた時は…やっぱりコンビニで千円で売っているイヤホンってこんなもの?と思いましたがイヤーピースをスパイラルドットに交換する事で一気に大化けしました。高音から低音まで音質の良さ解像度の高さ…とても千円のイヤホンとは思えないレベルで劇的に変化しました。3,000円の大定番イヤホンであるゼロオーディオのカルボテノーレと同じ曲でイヤホンを取っ替え引っ替えして聴き比べてみましたが、カルボテノーレに遜色のない音色でした。
HA-FX711F-Bの方が高音部に若干シャリ感が感じられるというくらいでタイトでしまりのある低音部やヌケの良いボーカル表現などはほぼ互角に感じました。コンビニで千円で買えることを考えると驚異的です。ただし、付属のイヤーピースはショボすぎるので交換することを前提のお話ですが
イヤーピースの値段をプラスしてもカルボテノーレの半額程度でほぼ同程度の音質を手に入れられるのはうれしい驚きです。自信を持ってオススメできると思います。なにせ、近所のセブンイレブンで千円で買えるんですから…。(笑)