1月15日の「いちごの日」は「全国いちご消費拡大協議会」が制定。
日付は「いい(1)いち(1)ご(5)」(いい苺)と読む語呂合わせから。ハウス栽培や品種改良で一年中手に入るようになったが、1月中旬はいちごの収穫・出荷が本格化する時期にあたる。
書籍にも記されている記念日ではあるが、制定した目的については定かではない。また、記念日を制定したとされる「全国いちご消費拡大協議会」についても詳細は不明で、すでに解散しているとの情報も見られる。
毎月15日も「いちごの日」とされ、「いち(1)ご(5)」(苺)と読む語呂合わせに由来するが、こちらも制定した団体や目的についての詳細は定かではない。
また、1月5日も「いちごの日」となっているが、こちらは果物の苺ではなく、15歳という世代を表した「いちご」で、高校受験を間近に控えた15歳の学生にエールを送る日とされている。
「いちごの日」については制定した団体など不明な点も多い記念日ではあるが、1月15日の「いちごの日」を中心として、苺スイーツの新商品の発表や、苺に関連したキャンペーンを実施する店などが見られる。
関連する記念日として、毎月22日は「ショートケーキの日」となっている。この記念日はカレンダーにおいて22日の真上には15日があり、ショートケーキの上には苺が載っていることに由来する。
「いちご」の語源
「いちご」の語源ははっきりしない。古くは『本草和名』(918年頃)や『倭名類聚抄』(934年頃)に「以知古」とある。『日本書紀』には「伊致寐姑(いちびこ)」、『新撰字鏡』には「一比古(いちびこ)」とあり、これが古形であるらしい。『本草和名』では、蓬虆の和名を「以知古」、覆盆子の和名を「加宇布利以知古」としており、近代にオランダイチゴが舶来するまでは「いちご」は野いちご全般を指していた。
漢字には「苺」と「莓」がある。これらは異字体で「苺」が本字である。辞典によっては「莓」が見出しになっていて、「苺」は本字としていることがある。現代日本では「苺」、現代中国では「莓」を普通使う。
英語の strawberry(ストロベリー)は「藁 (straw) のベリー (berry)」と解釈できるが、そう呼ぶ理由ははっきりしない。「麦藁を敷いて育てた」「麦藁に包まれて売られていた」「匍匐枝が麦藁に似ている」という説があり、さらに、straw は藁ではなく、散らかす・一面を覆うを意味する strew の古語だという説もある。
近代栽培イチゴ(オランダイチゴ)
歴史
北半球では古くから各地で野生イチゴの採集と利用が行われていた。スイスのトゥワン遺跡で出土した紀元前3830年から3760年頃の穀物のスープからはイチゴの痩果が発見されている。イチゴの栽培は古代ローマでは既に行われており、14世紀から16世紀にはいくつかの品種が栽培されていた。
近代栽培イチゴであるオランダイチゴは、18世紀にオランダの農園で、北米産のバージニアイチゴ (F. virginiana) とチリ産のチリイチゴ (F. chiloensis) の交雑によって作られた。
北米原産のバージニアイチゴは探検家や植民者によって16世紀前半から18世紀半ばにかけて、度々ヨーロッパに持ち帰られた種で、植物園を通じてヨーロッパ各地に普及した。一方、チリ原産のチリイチゴはマプチェ族などの先住民によって長年栽培されてきた品種である。チリイチゴは18世紀初頭から19世紀半ばにかけてヨーロッパに持ち帰られた種で、こちらも植物園を通じてヨーロッパ各地に普及した。
20世紀前半に創業したアメリカ合衆国のDriscoll’s社は、イチゴを始めとしたベリー種の栽培で急成長し、世界最大手の企業となった。Driscoll’s社の製品はコストコ等の量販店等で販売されており、安価なお徳用イチゴとして購入されている。
日本での栽培
日本には江戸時代にオランダ人によってもたらされた。イチゴが一般市民に普及したのは1800年代であり、本格的に栽培されたのは1872年(明治5年)からである。イチゴ栽培が一つの産業として行われるようになったのはさらに遅く第二次世界大戦後少し経ってからである。イチゴは1963年の農林水産統計表の品目に初めて登載された。
日本での生産量は年間約20万トンであり、そのほとんどは温室型の促成栽培で11月から翌年4月までに生産される。5月から10月の生産量は1万トン以下であって、5%に過ぎない。冬から春に実をつける一季成りイチゴに対し、夏から秋にも実の成る品種は四季成りイチゴと呼ばれ、夏イチゴとも呼ばれている。一季成り性品種と四季成り性品種では、花芽分化に関する特性が異なる。
温室型による促成栽培と露地栽培があり収穫時期と期間が異なる。一季成り性品種の露地栽培の場合の収穫期は主に3月から4月頃。連作障害があり1年から4年で圃場を移動する。温室型による促成栽培の場合の収穫期は10月下旬 – 翌年5月頃。ハウス栽培では水耕栽培も行われる。通常は足下の高さの盛り土(畝)に作付けするが、屈んだ作業となり従事者へ肉体的負担が大きいため、置き台などを利用し苗の高さを腰まで上げ負担を軽減するなどの工夫もみられる。多くの場合、寒冷期に収穫するためハウス栽培は必須であり成長適温の20℃前後までの加温を行う。夏秋取り栽培の場合は、遮光栽培も行われる。
日本の路地栽培の場合、ミカン栽培が可能な程度の温暖な地域では開花期は3月から5月で、開花から約1カ月すると収穫可能となる。
いちごの効果・効能
風邪予防やアンチエイジングに効果的
抗酸化作用があり、免疫力を高める「ビタミンC」を多く含んでいる。5~10粒のいちごを食べることで、1日に必要なビタミンCが補えるといわれている。
高血圧やむくみ解消に役立つ
余分な塩分を体外に排出するといわれる「カリウム」を多く含む。芋類や海藻などにも多く含まれるが、「煮る」ことで煮汁に溶け出てしまうため、そのまま食べられる果物は効率的に摂取できる。
貧血の予防や改善が期待できる
「造血のビタミン」とも呼ばれる「葉酸」が豊富。また、「葉酸」は記憶力の衰えや物忘れの予防にも役立つとされる。また、「ビタミンC」には鉄の吸収率をアップさせる効果もあり、いちご自体にも少量の鉄が含まれている。
視力回復や虫歯予防に効果的
ポリフェノールの一種で、視力回復や眼精疲労改善に役立つといわれる色素成分、「アントシアニン」を含んでいる。また、いちごのすっきりとした甘さは、虫歯予防に効果的といわれる「キシリトール」によるもの。
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