1976年(昭和51年)のこの日、鹿児島市立病院で日本初の五つ子が誕生した。
五つ子はNHK政治部記者・山下頼充(33)さんと妻の紀子(27)さんに授かった子どもたちで、男児2人、女児3人の5卵生の赤ちゃんであった。赤ちゃんは元気だったが体重は990から1800グラムで普通児の半分程度だった。3人の医師が長椅子に交代で寝ながら五つ子の治療に当たった。
五つ子の誕生に日本中は大騒ぎとなり、全国から祝福の声が寄せられた。新聞には連日五つ子の体重が掲載され、その体重の増減に一喜一憂した。
五つ子誕生は不妊症の治療として使用された排卵誘発剤によるものだった。その後、五つ子が小学校一年生の時にNHKで特集番組が放送されたり、長女が東京大学に進学したことでも話題となった。
多胎児について、世界ではオーストラリアの九つ子、メキシコの八つ子、スウェーデン・ベルギー・アメリカの七つ子が知られている。
関連する記念日として、「ふ(2)たご(5)」(双子)と読む語呂合わせから2月5日は「ふたごの日」、12月13日は「双子の日」となっている。
[昭和51年12月] 中日ニュース No.1198_1「ますます元気に」