東京都中央区日本橋箱崎町に事務局を置き、コーヒー消費の更なる拡大とコーヒー業界の一層の発展を目的に活動する一般社団法人・全日本コーヒー協会が1983年(昭和58年)に「コーヒーの日」を制定。
日付は国際コーヒー協会が定めた「コーヒー年度」の始まりの日であることから。また、コーヒー豆の収穫が終わり、新たにコーヒー作りが始まる時期、コーヒーの需要が高まる時期でもある。
この日は「国際コーヒーの日」(International Coffee Day)でもある。飲料としてコーヒーの普及を促進し、祝典を行う記念日であり、世界中でイベントが行われている。国際コーヒー機関(ICO)が承認して以降の最初の公式の記念日は2015年(平成27年)10月1日であり、イタリアのミラノでイベントが行われた。
コーヒーについて
コーヒーは、世界で最も多くの国で飲用されている嗜好飲料である。原産国はブラジル・エチオピア・インドネシアなどがあり、日本へは18世紀末にオランダ人が持ち込み、日本語では「珈琲」と当て字されている。
「コーヒー」はアラビア語でコーヒーを意味する「カフワ」(アラビア語:قهوة:qahwa)が転訛したものである。元々ワインを意味していたカフワの語が、ワインに似た覚醒作用のあるコーヒーに充てられたのがその語源である。一説にはエチオピアにあったコーヒーの産地「カッファ」(Kaffa)がアラビア語に取り入れられたものとも言われている。
この語がコーヒーの伝播に伴って、トルコ(トルコ語:kahve)、イタリア(イタリア語:caffè)を経由し、ヨーロッパ(フランス語:café、ドイツ語:Kaffee、英語:coffee)から世界各地に広まった。日本語の「コーヒー」は、江戸時代にオランダからもたらされた際の、「コーフィー」(オランダ語:koffie)に由来する。
漢字による当て字である「珈琲」は、津山藩医蘭学者の宇田川榕菴(うだがわ ようあん)が考案し、自筆の蘭和対訳辞典に記載したのが、最初であると言われている。
コーヒーの歴史
コーヒーがいつ頃から人間に利用されていたかは、はっきりしていない。果実(コーヒーチェリー)の赤い果肉は甘く食べられるため、種子の効用を知る機会も多かったと考えれば、有史以前から野生種が利用されていても不思議ではない。実際、アラビカ種は原産地エチオピアで古くから利用されていたとする説があり、リベリカ種は西アフリカ沿岸でヨーロッパ人が「発見」する以前から栽培・利用されていた。
現在見られる「焙煎した豆から抽出したコーヒー」が登場したのは13世紀以降と見られる。
最初は一部の修道者だけが用いる宗教的な秘薬であり、生の葉や豆を煮出した汁が用いられていた。しかし、焙煎によって嗜好品としての特長を備えると一般民衆へも広がり、1454年には一般民衆の飲用が正式に認められ、中東・イスラム世界全域に拡大した。オスマン帝国からバルカン諸国、ヨーロッパには16世紀に伝わり、1602年のローマ以降、17世紀中にヨーロッパ全土に伝播した。北米には1668年、ヨーロッパからの移民によって伝わった。
日本へは18世紀末にオランダ人が持ち込み、最初の記録は、1804年の大田南畝による随筆『瓊浦又綴』(けいほゆうてつ)。
抽出法も工夫され、挽いたコーヒー豆を煮出して上澄みを飲むトルココーヒー式の淹れ方から、まず布で濾す方法(1711年 フランス)が開発され、布ドリップ(ネルドリップ)の原型となった。これに湯を注ぐ器具として、ドゥ・ベロワのポット(1800年頃 フランス)が考案され、現在のドリップポットに至る。この他にも、パーコレータ(1827年 フランス)、コーヒーサイフォン(1830年代 ドイツ)、エスプレッソマシン(1901年 イタリア)、ペーパードリップ(1908年 ドイツ)などが開発され、多様な飲み方が可能となった。
- イスラム世界では、長らくイスラム教の戒律との関わりから一般民衆の飲用を認めない主張が続いた。1454年にファトワが出された後も、反対意見は根強く、16世紀頃から一般民衆への普及によって民衆の社交場においてコーヒーが供される風習が生じると、1511年、厳格なイスラム戒律主義者だったメッカ総督がコーヒーを「大衆を堕落させる毒」として飲用を禁じ、焼き捨てを命じたメッカ事件が起きている。
- そのメッカから伝わったオスマン帝国では、17世紀初頭に世界初の近代的なコーヒー・ハウスが首都イスタンブール(旧称コンスタンティノープル)で開業した。コーヒーハウスは中上流階級の社交場となり、コーヒーが伝わった先のヴェネツィアやローマでも同様なコーヒーハウスが開業して、ヨーロッパ中に広まった。
- イギリスでは1650年にオックスフォードに最初のコーヒーハウスが開業した後、17世紀にはロンドンを中心にコーヒーハウスが社交や議論、情報交換の場として隆盛を極めた。ロイズの前身もコーヒーハウスである。このイギリスのコーヒーハウスの隆盛は紅茶の普及により廃れる18世紀半ばまで続いた。
- フランスでは1669年には駐トルコ大使がルイ14世に献上したことがきっかけになって上流社会で流行し、さらに一般にも広まって多くのカフェが作られた。
- ウィーンでは、1683年、オスマン帝国による第二次ウィーン包囲が失敗した際に、オスマン軍が塹壕に残していったコーヒー豆をコルシツキーが戦利品として拝領し、ウィーン初のコーヒーハウスを開業したのが始まりといわれている。
- 日本では江戸時代から長崎を通して貿易品として輸入されていたが、嗜好品と言うよりも薬としての効果を期待されたもので、水腫に効果があるとされていた。これはコーヒーに含まれるビタミンの効用と考えられる。1807年の樺太出兵では野菜が摂取できないことによる兵の水腫病が問題になり、幕府から貴重なコーヒー豆が支給されたという。1855年頃、やはり寒さなどで殉難が多かった弘前藩士の為に幕府が薬用としてコーヒーを用意したという記録も残っている。1888年4月13日、東京下谷に最初の喫茶店「可否茶館」が開店、明治時代末から大正時代にかけて(1911年 – )、カフェーと呼ばれる喫茶店が全国的に普及した。1889年には東京の氷砂糖問屋が珈琲挽茶入角砂糖を売り出し、湯または牛乳に溶かして飲ませた。
現代では世界各地でよく飲まれている。国際コーヒー機関によると、2017年における1人当たり年間消費量の上位国はアイスランド(9.26kg)、ノルウェー(8.84kg)、スイスおよびボスニア・ヘルツェゴヴィナ(ともに6.33kg)、カナダ(6.29kg)、ブラジル(6.26kg)の順で、日本は3.64kg(12位)である。
コーヒーの世界市場規模は2018年の小売金額で880億ドルと推計されている(イギリスの調査会社ユーロモニターインターナショナルによる)。ネスレが24.9%のシェアを持つ最大手で、オランダのヤコブ・ダウ・エグバーツ(10.2%)などが続く。国際コーヒー機関(ICO)は2014年、10月1日を翌2015年から「国際コーヒーの日」(International Coffee Day)とすることを決めた。
コーヒーの素晴らしい効果効能
◎覚醒作用
コーヒーのカフェインには、覚醒作用があります。朝に目覚めの一杯を飲む方も多いのではないでしょうか。眠気をさますだけでなく、脳を活性化させるため集中力アップの効果も期待できます。
◎活性酸素を抑制、シミやしわに効果
コーヒーに含まれるポリフェノールである「クロロゲン酸」には抗酸化作用があり、シミやしわを抑制します。そのため、コーヒーを一日2杯以上飲んでいる人は、シミができにくいといわれています。
◎動脈硬化や心臓病の予防
動脈硬化はLDL(悪玉コレステロール)の酸化が原因で起こるのですが、クロロゲン酸の抗酸化作用は、この悪玉コレステロールが酸化するのを防ぎます。それにより、動脈硬化や心血管病を予防する効果が期待できるといわれています。
◎脂肪燃焼効果でダイエット
さらにクロロゲン酸には、脂肪燃焼効果があります。また、カフェインにも脂肪代謝の効果があります。カフェインレスコーヒーであってもクロロゲン酸は含まれるので、同様の効果が期待できるのも嬉しいですね。
また、コーヒーは100mlあたり4kcalと、とても低カロリー。牛乳や砂糖を入れてカフェオレなどにする場合は、思ったよりカロリーが高くなる場合があるので気をつけましょう。
◎肝臓がんの発症リスクを下げる
国立がんセンターの研究では、「コーヒーを毎日飲む人は、飲まない人に比べ肝臓がんの発生リスクが半減する」効果について、『ほぼ確実』という結果が出ています。しかし、なぜこのような結果になるのかについては分かっていないため、現在も研究が続けられています。
◎リラックス効果
コーヒーの香りをかぐと、脳からα波(アルファ波)が出ることがわかっています。α波は心身がリラックスしたときに出る物質で、浅煎りよりもより香りの強く出る深煎りのコーヒーの方がその効果は高いとされています。また、香りだけでなくカフェインにもリラックス効果があることがわかっています。
◎糖尿病や認知症の予防効果
国立国際医療研究センターのJPHC研究では、コーヒーを毎日3~4杯飲む人は、まったく飲まない人に比べて2型糖尿病※になるリスクが男性で17%、女性で38%低いと言われています。また、コーヒーは、認知症のうちの約半数を占める「アルツハイマー型認知症」の予防にも効果的だといわれています。
あまり知られていないコーヒーの7つの効能