1899(明治32)年12月2日、小児科医だったアンリ・ティシェ医師が、パリの生物学会で「ビフィズス菌」の発見を発表しました。
ビフィズス菌
乳酸菌の一種で、人の腸内に適した善玉菌の代表格と目されております。
乳酸菌は、糖を分解して乳酸を多く作り出す効果があるのに加え、ビフィズス菌は乳酸以外にも酢酸を作り出し、乳酸菌の約100〜10,000倍腸内に存在してると考えられております。
また、ビフィズス菌はV字やY字に分岐した特徴的な形をしていることから、
ラテン語で『二又の〜』を意味する『bifidusビフィドゥス』が語源になったと言われております。
ビフィズス菌の発見が発表された12月2日は、ビフィズス菌入りのヨーグルトなどを販売する江崎グリコ株式会社が『ビフィズス菌の日』として記念日に制定しております。
ビフィズス菌について
ビフィズス菌は、ヒトの腸内で最も多く住んでいる有用な菌である。腸内に住んでいる菌には他に乳酸菌もいるが、住んでいる数が大きく違い、ビフィズス菌はヒトの腸内に1~10兆住んでいるが、乳酸菌はその1/10,000~1/100以下。そのため、ビフィズス菌はヒトの腸内に適した菌と言える。
また、乳酸菌は糖を分解して、乳酸を多く作り出すが、ビフィズス菌は乳酸以外にも酢酸を作り出し、善玉菌として働いている。ビフィズス菌は、善玉菌として腸内の環境を整える他、花粉症などアレルギー症状の緩和などにも貢献している。
ビフィズス菌の効果とは
ダイエットのサポートに長けている
ビフィズス菌が増加すると、体脂肪が減少するという研究結果が発表されています。
現代人の食生活は、昔と比べて食の欧米化が進み、お肉類を摂ることが多くなりました。
お肉類は消化が悪く腐敗を招きやすい食べ物ですので、悪玉菌が増加する腸内環境になりやすいと言われています。
「ビフィズス菌を増やすことでダイエットが成功する!」というわけではありませんが、ダイエットのサポートとしてビフィズス菌は長けていると考えられています。
ビフィズス菌で悪玉菌を減らして便秘対策
便秘には様々な原因が考えられますが、原因の1つに「悪玉菌の増加」が考えられます。
マイナスの働きをする「悪玉菌」が増加することにより腸内のバランスが乱れ、便秘や下痢を引き起こしていると言われています。
この悪玉菌を減らすことで、腸内環境が整い、便秘が解消するといいます。
この「悪玉菌」を減らすためには、善玉菌・ビフィズス菌が必要なのです。
ビフィズス菌を摂取することで悪玉菌が減少し、腸内環境が整い便秘が解消するということなのです。
前述とは別の研究において、成人者94名に、オリゴ糖が含まれたビフィズス菌製剤を1日1包、2週間毎日摂取させたところ、便秘傾向者である成人者に排便回数、排便量と共に増加が見られたそう。
また、便秘傾向ではない成人者も排便量の増加が見られ、便秘改善に有効なものだということが確認できたという研究結果もあります。※5
ビフィズス菌が生み出す酢酸は、悪玉菌の増加を抑制させるだけではなく、腸の粘膜を守る働きもあるので、積極的に摂っていきたい成分です。
しかし、研究結果が出ているとはいえ、便秘の原因はさまざまですので、ビフィズス菌を摂取することだけで、確実に便秘が解消するというものではありませんのでご注意を。
ビフィズス菌の減少は、うつ病のリスクが高まる
善玉菌に属すビフィズス菌は、「便秘」「ダイエット」との関係性をイメージしますが、実はうつ病発症のリスクにも関係があると研究結果が出ているのです。
国立精神・神経医療研究センターとヤクルトの共同チームの研究結果で、善玉菌の数が少ない人は、健康な人と比べてうつ病発症リスクが高まる可能性があると発表しています。
うつ病患者43名、健康な人57名の体内にある善玉菌の数を調べたところ、ビフィズス菌の便1gあたりの量が、うつ病患者が約32億個、健康な人が約100億個と、菌数に大きく差が開きました。
そして、乳酸菌に分類されるラクトバチルス菌は、うつ病患者が約79万個、健康な人が約398万個とこちらも大きく差が開きました。
また、ビフィズス菌が約34億個、ラクトバチルス菌が約309万個を下回るとうつ病を発症する割合が高くなると見られています。
【ヤクルト公式】腸の働きとビフィズス菌