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4月26日今日は何の日?:七人の侍の日

投稿日:2020年4月25日 更新日:

左から、五郎兵衛・菊千代・七郎次・平八(奥)・勝四郎(手前)・勘兵衛・久蔵。

1954年(昭和29年)のこの日、黒澤明(1910~1998年)監督の映画『七人の侍』が公開された。

東宝が製作・配給。主演は三船敏郎(1920~1997年)と志村喬(1905~1982年)。モノクロ、スタンダード・サイズ、207分。日本の戦国時代が舞台であり、貧しい農村で野武士の略奪に苦しむ農民たちは侍を雇って町を守ろうとする。かくして集められた七人の侍が、身分差による軋轢を乗り越えながら協力して野武士の一団と戦う物語。

撮り直しのきかないスペクタクルシーンを撮るために、黒澤が初めて複数のカメラで同時に撮影する方法(マルチカム方式)を採用し、豪雨の決戦シーンなど迫力のあるアクションシーンを生み出した。さらに脚本、綿密な時代考証、美術などにより、アクション映画・時代劇におけるリアリズムを確立した。

撮影風景

1年余りの撮影期間と巨額の製作費をかけて作られた大作は、興行的にも成功し、700万人の観客動員を記録した。また、1954年(昭和29年)のヴェネツィア国際映画祭にて銀獅子賞を受賞した。30本にも及ぶ黒澤監督の作品の中でも、最も評価が高く、人気の高い映画作品である。

 

批評家の反応

日本で初公開された当初は、娯楽映画に冷淡な批評家から軽視され、決して高い評価を受けることはなかった。第28回キネマ旬報ベスト・テンでは3位に選ばれた。その後国内での評価が高まり、キネマ旬報で10年毎に批評家らが選出した「日本映画史上のベスト・テン」では、1979年、1989年、1999年でいずれも1位に選ばれた。

本作は海外の映画批評家からも高く評価された。アーサー・ナイトは『ザ・サタデー・レビュー』で、「ディテールの多さ、人物描写の豊かさ、アクションの力強いクオリティ、そしてすべてのシークエンスで黒澤が見せる技術面での妙技、それらがこの作品の尽きない魅力となっている」と評した。ロサンゼルス・タイムズ紙のケヴィン・トマスは、「『七人の侍』の息が長いのは、演出スタイルが華麗であるからではなく、皮肉なスタイルを交えながらも、人生と人間らしい心を強く肯定したメッセージが、高らかに宣言されているからである」と肯定的に評価した。ワシントン・ポスト紙のデッソン・トムソンは、「史上最高のアクション映画」としている。ロジャー・イーバートは本作に最高評価の星4つを与え、自身が選ぶ最高の映画のリストに加えている。

映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには64件のレビューがあり、批評家支持率は100%で、平均点が9.36/100という高評価を獲得している。同サイトの「アートハウス&国際映画トップ100」では6位、「アクション&アドベンチャー映画トップ100」では20位にランクされている。Metacriticには6件のレビューがあり、加重平均値が98/100となっている。

 

映画監督の反応

本作は多くの映画監督からも高い評価を受けている。アンドレイ・タルコフスキーは好きな作品の1本に挙げており、雨や土などの自然描写に影響を受けた。ジョージ・ルーカスはUSCの映画学科で学んでいる時に、本作を見て大きな衝撃を受けた。後にルーカスは「『七人の侍』は私に途方もない衝撃を与えた。私はそれまであのように力強く、しかも映画的なものを見たことがなかった。私がその文化や伝統を理解していない事など問題にならないくらい、とても激しく感動した」と語っている。ジョン・ウーは映画を撮る前に必ず本作を見直しており、「あらゆるアクション映画の模範であり、私にとって教科書のようなものです」と語っている。

また、マーティン・スコセッシは「若手映画製作者のための39本の外国語映画」のリストに選出した。テリー・ギリアムも自身の人生と作品に影響を与えた映画の中で、「映画を監督したいと思わせた映画」として選出した。ほかにも、ジョン・ミリアス、ジョン・ブアマン、ジム・ジャームッシュ、北野武、アンドレイ・コンチャロフスキー、リチャード・レスター、マーティン・マクドナー、ポール・グリーングラス、ジョージ・ミラーなどが、本作を好きな作品に挙げたり、ベスト作品の1本に選出したりしている。

 

 

七人の侍【予告編】

 

 

 

 

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