なぐブロ

音楽大好き、ギター大好き、カメラ&写真大好き、デジタルガジェット大好き、美味しいもの大好き、日々の生活の中で気になったもの、興味をもったものを自分なりの視点で取り上げて紹介しています。

日記 生活

4月29日今日は何の日?:ナポリタンの日

投稿日:

【ナポリタンは昭和生まれの日本を代表する洋食】なことにちなんで、トマトケチャップなどの製造・販売を行っているカゴメ株式会社が「昭和の日」となる4月29日に記念日を制定しています。

 

ナポリタンとは

ナポリタンは、茹でたスパゲッティをタマネギ、ピーマン、ハムなどと共にケチャップで炒めた洋食。日本で創作された日本風パスタ料理であり、類似の名を持つイタリア料理のスパゲッティ・アッラ・ナポレターナ(後述)とは異なる。

ナポリタンに類似した名で呼ばれるパスタ料理は幅広く存在するが、本稿では、第二次世界大戦後に日本の喫茶店や洋食屋で広く提供されていた、軟質小麦を原料としたコシのない麺をケチャップで着色したものを中心に解説する。その周辺の類似したパスタ料理についても適宜解説する。

 

調理方法

日本パスタ協会のおすすめレシピによると、オリーブ油を熱したフライパンでベーコン、タマネギ、ピーマンなどの具材を炒めたうえで、トマトやケチャップを加えてさらに炒め、茹でたスパゲッティを混ぜて塩コショウで味を調えて作る。ベーコンはハム、ソーセージなどに置き換わることがある。好みでタバスコペッパーソースや粉チーズをかける。

喫茶店や洋食店などのナポリタンには、茹でた麺を一定時間寝かせる工程や、再加熱時に麺を炒める工程が加わる。

麺を芯がなくなるまで茹でてサラダ油で和え、冷蔵庫で一晩置く。客の注文が入ってからケチャップ、具とともにフライパンで炒めつつ再加熱する。麺を余計に茹でるのも、油で和えるのも、冷蔵保存と再加熱時に水分が飛んで麺が乾燥するのを防ぐためとされる。

日本経済新聞のコラム「食べ物新日本奇行」で、編集委員の野瀬泰申は、麺を茹で置いて客の注文が入ってから再加熱する調理法が立ち食いそばと同じであると述べたうえで、同様のパスタの茹で置きがベルギーの街のカフェでも行われている話を紹介し、「冷凍麺がなかった時代に生まれた調理時間の短縮技と思われる」と述べている。

小説家の浅田次郎は、エッセイの中でナポリタンを次のように描写している。

正統のナポリタンは、アルデンテなどであってはならぬ。きのう茹で上げて冷蔵庫に眠っていたような、ブヨブヨのスパゲッティが好もしい。それを少々の玉葱とウインナソーセージの薄っぺらな輪切りと、真赤なトマトケチャップで炒める。実に素朴な、変えようも変わりようもない、完成された味であった。

— 浅田次郎、『パリわずらい 江戸わずらい』小学館、2014年、p.148

 

「ナポリタン」のルーツ

上野は、アメリカのスパゲッティ・ウィズ・ミートボールがナポリタンのルーツであり、戦後に進駐軍を通じて伝わったものと推定している。池上も進駐軍が食べていたピザやスパゲッティの影響と見ている。

大矢は、1907年に発行されてベストセラーになったペレグリーノ・アルトゥーシの主婦向けレシピ集『料理の科学と美食の技法』の「ナポリ風マッケローニ」がナポリタンのルーツであり、戦後都心にできた新興のイタリア料理店が米兵の好みに合わせて提供していた料理が広まった可能性を挙げている。

 

入江茂忠の「スパゲティーナポリタン」

ホテルニューグランド第4代総料理長の高橋清一は、ナポリタンは第2代総料理長の入江茂忠が戦後に考案したと述べている。

ホテルニューグランドは、1945年(昭和20年)8月30日のダグラス・マッカーサーの来日直後から7年間GHQに接収されていた。入江は進駐軍の兵士がケチャップで和えただけの具なしスパゲッティを食べているのを見て、ケチャップだけでは味気ないと考え、生トマト、タマネギ、ニンニク、トマトペースト、オリーブオイルでトマトソースを作り、炒めたハム、ピーマン、マッシュルームを加えてソースで和えたスパゲッティを考案したという。このスパゲッティは「スパゲッティーナポリタン」と呼ばれた。高橋によると、「ナポリタン」という命名は、中世のころナポリの屋台で庶民向けにトマトソースをかけたスパゲティが売られていたことをヒントにしたものだという。

入江の「スパゲティーナポリタン」はケチャップを使ってはいないが、7割がた茹でたパスタを冷まし、5-6時間放置したうえで湯通しすることで麺のもっちりした食感を出す、というひと手間を加える工夫は入江の功績と見なされる。

高橋は中世ナポリ風であることが「ナポリタン」という名前の直接の由来であるとしているが、澁川は、入江は師のサリー・ワイルを通じてフランス料理の「スパゲッティ・ナポリテーヌ」の存在を知っており、日本人が呼びやすいように「ナポリテーヌ」を「ナポリタン」に変化させたのではないかと考察している(なお、入江は「スパゲチ ナポリテーイン」の提供されていた東京ニューグランドに1936年(昭和11年)ごろから勤めている)。上野は、戦時中に陸軍の厨房兵として従軍していた入江に、旧海軍の「マカロニナポリタン」という料理名の記憶があったのではないかと考察している。

また、横浜市野毛の洋食レストラン「センターグリル」では、1946年(昭和21年)の開業時よりナポリタンにケチャップが使用されていたとされる。高価で加工に手間もかかるトマトを使わずケチャップを用いるのは町の洋食店ならではの工夫だとして、センターグリルが「ケチャップナポリタン」の発祥であると見る向きもある。ただし、同店の創業者の石橋豊吉は、ワイルの経営していたセンターホテルで修業をしていて入江とも親交があり、開業後にも入江からアドバイスを受けていたという。

  

 

【永久保存版】ミシュランシェフが教える名店の味「ナポリタンを超えたナポリタン」

 

 

 

top

top

-日記, 生活
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

5月1日今日は何の日?:八十八夜(5月2日頃 雑節)

「八十八夜(はちじゅうはちや)」は雑節の一つで、「立春」(2月4日頃)を起算日(第1日目)として88日目(立春の87日後の日)にあたる。 もともと、太陰暦を基本としている日本の旧暦では暦日と季節が最高 …

8月4日今日は何の日?:箸の日

「箸を正しく使おう」という民俗学研究者の提唱で、わりばし組合が1975年(昭和50年)に制定。 日付は「は(8)し(4)」(箸)と読む語呂合わせから。塗り箸の生産地である福井県小浜市でも、同様な語呂合 …

7月14日今日は何の日?:ペリー上陸記念日

マシュー・カルブレイス・ペリーMatthew Calbraith Perry 1853年のこの日(旧暦嘉永6年6月9日)、マシュー・ペリー提督率いる黒船艦隊4隻が江戸湾の浦賀に来航した。   蒸気船を …

7月21日今日は何の日?:奇兵隊が結成された日

長州奇兵隊の隊士(一部) 1863年7月21日(旧暦:文久3年6月6日)、長州藩・高杉晋作氏らの呼び掛けにより、藩士や武士、庶民などの身分に関係ない有志団体 奇兵隊 が結成されました。 日付に関しては …

新型コロナ関連:最後の切り札『ECMO(エクモ)』って何?

  最後の切り札『ECMO(エクモ)』って何? 体外式膜型人工肺(たいがいしきまくがたじんこうはい、英: Extracorporeal membrane oxygenation, ECMO, エクモ) …

side

なぐ:50代のおじさんです。
音楽、ギター、写真、ガジェットと多趣味で好きなことは夢中になるタイプ。最近は5ヶ月で25kgのダイエットに成功。