1927年(昭和2年)のこの日、神奈川県の養殖業者によりアメリカ・ニューオーリンズからアメリカザリガニが持ち込まれた。
アメリカザリガニは、鎌倉食用蛙養殖場(現:岩瀬下関防災公園)に食用カエル(ウシガエル)の餌として持ち帰ったもので、アメリカで出荷された際は100匹であったが、無事に日本に到着したのはわずか20匹であった。
そのアメリカザリガニが養殖池から逃げ出し、その後、爆発的に広まったとされている。1960年(昭和35年)頃には九州でも確認されるほどになり、現在では沖縄を含む日本各地で確認され、国内では最もありふれたザリガニとなっている。
アメリカザリガニは、水草を切断したり、水生昆虫を捕食するなど陸水生態系に影響を与える。また、ザリガニ類特有の病気であるザリガニカビ病を媒介して在来種のニホンザリガニの生態を脅かすとされている。これらの悪影響から、日本生態学会により「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されている。
ザリガニについて
本来日本国内において「ザリガニ」といえば北日本に分布する固有種のニホンザリガニ(Cambaroides japonicus)を指しており、図鑑などで「ザリガニ」が和名として通用もしていた。しかし本種が移入され定着したことにより、産地を冠した和名として、「ニホンザリガニ」「アメリカザリガニ」と呼び分けられるようになり、昭和期以降ではより身近になったアメリカザリガニの方を「ザリガニ」と称する場合が多くなった。また、元々関東以西にはザリガニ下目そのものが全く生息していなかったため、エビのような身体構造とカニのような大きな鋏を持つ特徴をもって本種を特に「エビガニ」と呼ぶ場合がある。
体長は8cm – 12cmほどで稀に20cm近い大きさの個体もいる。体色は赤色か褐色の2色である。アメリカザリガニは体色が赤いことからマッカチンという別名もあるが、色素変異などが原因により青色や白色をしている個体もいる。
頭胸甲の上は”Y”の字で区切られている。5対の歩脚のうち、第1脚は大きな鋏脚になっていて、特にオスの鋏脚は大きく発達する。また、第2脚と第3脚にも小さなはさみがある。
胃にはクチクラ繊維が角化し、炭酸カルシウム等が沈着した胃歯が存在する。臼歯と形態が似ているが、外胚葉性の分泌物がなぜ臼歯と似た形態になるのかは判明していない。
平野部の水田、用水路、池など、水深が浅くて流れの緩い泥底の環境に多く生息し、流れの速い川には生息しない。湿地に穴を掘って生息し、夜になると出歩いて餌を探す。雨天では日中もしばしば活動し、岸辺に上陸して動き回る姿も見られる。冬は穴に潜んで冬眠する。 水質の汚染にも比較的強い。
食性は雑食性で、藻類、水草、落葉、小魚、オタマジャクシ、水生昆虫、動物の死骸など何でも食べる。飼育下で長期間サバなどのカロチンを含まない食品を与えると体が青くなる。
このように食べる餌に偏りがあったり、周囲の環境などによっては、体色が青や緑・橙等になったりするが、自然界でこのようなアメリカザリガニを見ることはあまり無い。
寝て起きてお掃除する青いアメリカザリガニ