食物繊維(ファイバー)に関する情報提供を行う学術団体「ファイバーアカデミア」が2005年(平成17年)に制定。
日付は5(ファイブ)1(い)8(ば)で「ファイバー」と読む語呂合せから。食物繊維を摂取する大切さを再認識してもらうことが目的。
食物繊維の種類と効果について
食物繊維(しょくもつせんい)とは、人の消化酵素によって消化されにくい、食物に含まれている難消化性成分の総称である。その多くは植物性、藻類性、菌類性食物の細胞壁を構成する成分であるが、植物の貯蔵炭水化物の中にはグルコマンナンやイヌリンの様に栄養学的には食物繊維としてふるまうものも少なくない。化学的には炭水化物のうちの多糖類であることが多い。
食物繊維は、体内の消化酵素により消化されず、そのまま排出される成分である。食物繊維には大きく分けて2種類あり、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維である。
水溶性食物繊維には、果物に多く含まれるペクチンや難消化性デキストリン、紅藻から抽出される寒天の主成分であるアガロースなどがある。肥満防止、コレステロール上昇抑止、血糖値上昇抑制などの効果があるとされている。
不溶性食物繊維には、野菜に多く含まれるセルロース、きのこなど菌類に含まれるキチンやキトサンなどがある。排便促進の効果があり、体に有害なダイオキシンなどの物質を排泄するデトックス効果もあるとされている。
日本人の食事摂取基準(2010年版)では、食物繊維の目標量は、成人男性で1日あたり19g以上、成人女性で17g以上とされている。2008年(平成20年)の国民健康・栄養調査において、食物繊維の摂取量は、10~40代の男女で14gにも満たないという結果が出ている。
従来は、消化されず役に立たないものとされてきた。後に有用性がわかってきたため、日本人の食事摂取基準で摂取する目標量が設定されている。ただし、定義から明らかなように栄養素ではない。
ヒトの消化管は自力ではデンプンやグリコーゲン以外の多くの多糖類を消化できないが、大腸内の腸内細菌が嫌気発酵することによって、短鎖脂肪酸やメタン、二酸化炭素、水素などに分解される。短鎖脂肪酸の83%が酢酸、プロピオン酸、酪酸で占められ、産生比は60:20:20の割合である。産生された短鎖脂肪酸の大部分は大腸から吸収される。酢酸は宿主のエネルギー源となり、プロピオン酸は肝臓で糖新生の原料として利用され、酪酸は結腸細胞に優先的にエネルギー源として利用される。食物繊維の大半がセルロースであり、人間のセルロース利用能力は意外に高く、粉末にしたセルロースであれば腸内細菌を介してほぼ100%分解利用されるとも言われている。デンプンは約4kcal/g のエネルギーを産生するが、食物繊維は腸内細菌による醗酵分解によってエネルギーを産生し、その値は一定でないが、有効エネルギーは0〜2kcal/gであると考えられている。また、食物繊維の望ましい摂取量は、成人男性で19g/日以上、成人女性で17g/日以上である。食物繊維は、大腸内で腸内細菌によりヒトが吸収できる分解物に転換されることから、食後長時間を経てから体内にエネルギーとして吸収される特徴を持ち、エネルギー吸収の平準化に寄与している。大腸の機能は食物繊維の存在を前提としたものであり、これの不足は大腸の機能不全につながることになる。食物繊維をNSP(non‐starch polysaccharide、非デンプン性多糖類)と呼ぶこともある。
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