登山と登山文化の発展・普及のために活動しているプロ登山家・竹内洋岳(たけうち ひろたか)氏が日本山岳会、植村直己冒険館の了解を得て制定。
日付は登山家・松浦輝夫(まつうら てるお、1934~2015年)と冒険家・植村直己(うえむら なおみ、1941~1984年)が標高8848mの世界最高峰の山「エベレスト」に日本人として初めて登頂に成功した1970年(昭和45年)5月11日から。
両名の初登頂の成功という偉業を後世に伝えることが目的。記念日は2020年(令和2年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。また、同年にエベレスト日本人初登頂から50周年を迎えた。
1970年当時、大阪で開催されていた日本万国博覧会(大阪万博)一色だった中で世界最高峰登頂のニュースに日本中が歓喜し、まさに高度経済成長の未来を指し示すかのような出来事として、多くの人々の記憶に刻まれた。
エベレストについて
エベレスト(Everest)は、ヒマラヤ山脈にある世界最高峰の山であり、その山頂はネパールと中国との国境上にある。
英名のエベレストという名前は、インド測量局(Survey of India)で長官を務めたウェールズ出身の探険家ジョージ・エベレスト(George Everest、1790~1866年)にちなんで命名された。チベットでは「世界の母なる女神」という意味のチョモランマ(Chomolungma)、ネパールでは「世界の頂上」という意味のサガルマータ(Sagarmatha)という名前で呼ばれている。
1920年代から長きにわたる挑戦の末、1953年(昭和28年)5月29日にイギリス探検隊のメンバーでニュージーランド出身の登山家であるエドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary、1919~2008年)とネパール出身のシェルパであるテンジン・ノルゲイ(Tenzing Norgay、1914~1986年)によって人類初となる登頂が達成された。この日に由来して、5月29日は「エベレスト登頂記念日」となっている。
その後、上記のように1970年(昭和45年)5月11日に日本山岳会エベレスト登山隊(総隊長・松方三郎、登攀隊長・大塚博美)の松浦輝夫と植村直己が日本人として初めて登頂に成功した。さらに、1975年(昭和50年)5月16日に登山家・田部井淳子(たべい じゅんこ、1939~2016年)が女性として世界で初めて登頂に成功した。
毎日ニュースNo.812 エベレスト隊帰る(昭和45年)