1777年の6月14日、アメリカ合衆国議会が1776年の独立宣言時の13州を赤白のストライプで象徴した星条旗をアメリカ国旗と制定した。
アメリカが独立宣言を行った頃の旗にはイギリスの国旗が入っていた。しかし、独立戦争で戦った相手国の国旗が旗に入っていては国民の士気に影響するということで、ワシントンらがフィラデルフィアの旗作り職人ベッツィ・ロスに依頼し、星条旗を完成させた。
当初、国旗の星の数も独立宣言時の13州に因んで13個であったが、その後に州が増えるたびに変更され、ハワイが州に昇格した翌年の1960年から現在の50個の星のデザインとなった。また、1916年に第28代大統領ウッドロウ・ウィルソンがこの日を国民の祝日とした。
意匠と意味
白線と赤線の組み合わせの13本の横縞(赤7本と白6本、したがって上下は赤)、四角に区切った左上部(カントン)は青地に50の白い星が配置されている。
白は purity(純粋)とinnocence(純潔),赤は hardiness(たくましさ)とvalor(勇気),青はvigilance(戒心)とperseverance(忍耐)とjustice(正義)を表す。また縞模様は独立当時の13の入植地を表し、星は現在の州を表している。
現在のデザインは27代目である。つまり、今までに26回デザインが更新されている。
歴史
星条旗は、独立戦争時にフィラデルフィアでベッツィー・ロスという女性が裁縫したものが始まりだと広く伝えられている。ただし、学問的には、この伝承は、捏造されたものであるとする立場が多数とされる。
星は独立時の13個から、連邦に州が加わるたびに増やされて現在に至っており、その度に、次の独立記念日に配置が変更される(初期を除く)。このため、星条旗は世界で最も変更回数の多い国旗だが、現在の「50星」デザインはハワイが州に昇格した翌年の1960年から続いており、2007年7月4日にはこれまでの「48星」の47年間を抜いて最も長い期間使われているデザインとなった。なお、南北戦争期に南部11州が合衆国を脱退してアメリカ連合国を建国しているが、アメリカ合衆国が脱退そのものを認めていないため、国旗から星の数が減ったことはこれまでない。
当初は星の数と共に条(すじ)の本数も増やされていたが、条の本数が多くなるに従って不恰好で見づらくなった(遠目からはピンクに見えるようになった)ため、1818年にデザイン変更の際の規定が作られ、条は発足時の13本で固定し、以降は星の数だけを増やしたという経緯がある(下表の15星旗では縞は15本だが、20星旗は13本に直されている)。
この「青地に白い星」と「赤と白の条」の組み合わせは、アメリカ合衆国をイメージするあらゆるシンボルに使用されている。
なお、アメリカ合衆国の国歌も日本語では「星条旗」と訳されるが、原題は「The Star-Spangled Banner」(「星で飾られた旗」の意)であり、合衆国旗を意味する言葉ではあるが、厳密には「条」の意味が含まれていない。
スーザ 行進曲「星条旗よ 永遠なれ」 1976