1944(昭和19)年6月23日、北海道・壮瞥町(そうべつちょう)にある有珠山東麓の畑地が、噴火による隆起の影響で
昭和新山
となりました。
前年から壮瞥町近辺では地震が相次いでいたものの、畑地からの噴火は非常に珍しく、その高さは398mまで噴き上げたとされております。
また、噴火跡がはっきりと形残るのも大変稀とされており、周辺一帯は
支笏洞爺(しこつとうや)国立公園
として、国の特別天然記念物に選定されております。
●日本ジオパーク
●世界ジオパーク
加えて、地球科学的にみても重要な価値を持つ遺産であることから、
のそれぞれにも選定されております。
昭和新山の地質
有珠山の側火山。デイサイト質の粘性の高い溶岩により溶岩円頂丘が形成されている。形成当初の標高は400メートルを超えていたが、現在では、それが温度低下や浸食などの影響で、398mまで縮んでいる。
有珠山の麓にあった平地に火山が形成された。山肌が赤色に見えるのは、かつての土壌が溶岩の熱で焼かれて煉瓦のように固まったからである。そして、川に運ばれ平地の地下に埋まるなどしていた石が溶岩によって持ち上げられたため、昭和新山の中腹には河原にあるような丸い石が場違いに転がっているのも見ることができる。なお、形成当初は全山が不毛の土地であったが、後述するように、昭和新山は私有地にあるため、登山などで自由に人が立ち入りすることができない。そのためか、形成から70年以上経った現在では、屋根山の大部分が草木で覆われるようになっている。