1887(明治20)年6月20日、二葉亭四迷著の『浮雲』第一篇が刊行されました。
普段使われているような話し言葉に近い口語体を使用し、言文一致体
で書かれた日本初の小説とされております。
言文一致体
日常的に用いられている話し言葉に近い口語体を文章として書くこと。または、会話文中心の文体で構成された内容のもの。『浮雲』は全三篇からなる長編小説で、
- 文三
:主人公 - お勢
:従姉妹 - 本田
:友人
の3人が中心となり、それぞれの移り変わる生活環境やその時々の3人の心情などが中心に描かれております。
二葉亭四迷というペンネーム
ちなみに、『浮雲』は二葉亭四迷が坪内逍遥の著『小説神髄』を読んで納得しなかったことが執筆の動悸とされるも、『浮雲』自体は刊行当初、本の売れ行きを伸ばすために坪内逍遥の本名である「坪内雄蔵」の名を借りて発表していたそう。このことに対する自身を卑下する言葉で、(金欲を優先した自分なんざ)
くたばって仕舞え(くたばってしめぇ)
と言った悔恨の念を忘れないように付けた名前といわれております。くたばってしめえ↓
ふたばていしめい
また、当時はよろしく思われてなかった物書きの職を志した際に、親から「くたばって仕舞え」と言われた、など諸説あります。