1976(昭和51)年6月22日、集英社が発行する『週刊少年ジャンプ』に、秋本治著こちら葛飾区亀有公園前派出所がスタートしました。
スタート当初は読み切り漫画として山止たつひこのペンネームで掲載された通称『こち亀』は、同年9月21日から本格連載をスタートしております。
以後、2016(平成28)年9月に連載を終えるまでの約40年間、一度も休載することはありませんでした。
これを受けて、最終話が掲載された週刊少年ジャンプ42号と単行本の200巻は、秋本治氏の功績を称える意味も込めて『ギネス世界記録』に認定されております。
葛飾区亀有公園前派出所
東京都葛飾区にある亀有公園前派出所に勤務する警察官の両津勘吉(りょうつ かんきち)を主人公とし、その同僚や周辺の人物が繰り広げるギャグ漫画。劇画に近い比較的リアルな絵柄(特に連載開始当初)を用いたギャグ漫画としては先駆的な作品である。基本的に一話完結だが、複数話に跨ぐことも時々ある。
連載初期こそ、警察官として型破りな両津と、その仲間たちの仕事風景が話の中心だったが、次第に作者・秋本治の趣味や主張、思想などが大きく前面に押し出されていき、薀蓄の多いマニアックな話や流行・時事問題を皮肉るような話、人情的な感動話に加えギャグが一切ないシリアスなエピソードも描かれるようになった。連載が軌道に乗った中期以降も、世間の流行(主にサブカルチャー)を積極的に題材として取り入れ、緻密な取材とそれを活用する構成力、背景にまで細やかに気遣う丹念さ、機知に富む台詞回しや実験的なアイディアを特徴とした。
1976年(昭和51年)6月20日発売の『週刊少年ジャンプ』29号(7月18日号)に、4月期の月例ヤングジャンプ賞入選作品の読み切りとして掲載された後、1976年の42号(10月18日号)から2016年42号まで一度の休載もなく連載され、コミックスの発行巻数が多い単一マンガシリーズでギネス世界記録を保持。『週刊少年ジャンプ』の歴代連載作品の中で最長の連載記録であり、少年誌の最長連載記録である。ジャンプ黄金期と言われる1980年代において数多くのヒット作が連載される中、人気が最上位になることはないが、打ち切りが検討されることもないという安定した人気を保っていた。コミックスの発行部数は累計1億5,650万部。2001年に第30回日本漫画家協会賞大賞を、2004年に第50回小学館漫画賞審査員特別賞を受賞。
2006年に連載30周年を迎え、『週刊少年ジャンプ』誌上で「こち亀30周年企画」が行われた。2016年に連載40周年を迎え、それを記念した「こち亀40周年企画」が行われた。40年の週刊連載で歴代担当は13人になる。様々なメディア展開もされている。
『週刊少年ジャンプ』以外の漫画雑誌では、『りぼん』1999年2月号付録にこち亀特別編が掲載された(その後、Kamedas2に収録された)他、2011年には連載35周年特別企画として、同年8月から10月にかけて集英社の漫画雑誌13誌(『りぼん』、『マーガレット』、『別冊マーガレット』、『コーラス』、『ビジネスジャンプ』、『スーパージャンプ』、『ウルトラジャンプ』、『Vジャンプ』、『ヤングジャンプ』、『YOU』、『ジャンプスクエア』、『ザ マーガレット』、『Cookie』)に『こち亀』出張版が掲載された(その後、コミックス第999巻に収録された)。更に、2011年11月28日から12月2日までの5日間、読売新聞朝刊スポーツ面に広告扱いの4コマ漫画『えっ!?こち亀が4コマ漫画に挑戦!?』(秋本本人が執筆)が掲載された。