1955年(昭和30年)の7月9日、日本初の本格的なジェットコースターが設置された「後楽園ゆうえんち」(現:東京ドームシティアトラクションズ)が開園した。
このジェットコースターは、全長1,500m、最高時速55kmであった。ジェット機にちなんで「ジェットコースター」という名前が付けられ人気となり、ジェットコースターという名称が一般的に使用されるようになった。2003年(平成15年)4月17日に遊園地全体を入場無料のフリーゲート化され、同時に「東京ドームシティアトラクションズ」という名称に変更された。
ちなみに、ジェットコースター(jet coaster)は和製英語であり、英語ではローラーコースター(roller coaster)である。国産初、日本で現存する最古のローラーコースターは、「浅草花やしき」のもので、1953年(昭和28年)に設置された。
花やしきのジェットコースター
ジェットコースターの仕組み
ローラーコースターでは、乗客がいる列車自体に基本的に動力などは存在せず、一般的にはチェーンリフトによってレールの最高到達点まで車両を巻き上げ、ここから下りの傾斜を走らせることで位置エネルギーを運動エネルギーに転換して速度をつける。そして、ある程度下ったら再び傾斜を駆け上がらせて運動エネルギーを位置エネルギーへと転換する。この間、運動エネルギーは摩擦や空気抵抗などの要素によって減衰しているため、第二の山以降では頂上が徐々に低い位置におかれる。この動作を繰り返すことでローラーコースターは進んで行き、最後に車両に取り付けられた金属板をレールに設置されたブレーキパッドで挟んで摩擦を起こし、運動エネルギーを主に熱エネルギーとして放出して停止させる。
最近では、チェーンではなくフライホイールやリニアモーター、圧縮空気等を用いて、スタート時や走行中に運動エネルギーを適宜追加する方式がよく見られる。この方法により、カタパルトで射出されるような加速感や、従来型では加速しない区間での加速による意外性などが演出され、さらにチェーン方式では実現できないような速度を出すことも可能である。また、チェーン方式ではコースターの速度を上げるにはかなり大がかりな巻き上げが必要で、土地や建設コストもかなり膨大になってしまう。その点でもリニアモーターなどの方式は有利である。ブレーキシステムに関しても、リニアモーターや渦電流といった非接触式のものを導入し、滑らかな減速・停止ができる他、ブレーキ作動時の騒音を大幅に減少できるようになった。
ローラーコースターのコースには山なりや谷底および左右のカーブがあり、カーブ区間では乗客に遠心力がかかる。ローラーコースターのスペックとして、乗客にかかる遠心力と重力の合力はG(重力加速度)を基準にその何倍かで表されることがある。この力の変化がローラーコースターの醍醐味の1つであり、高さや速度に加えてその乗り心地の評価などに用いられることがある。しかし、乗客にかかる力は身体への負担となるため、クロソイド曲線などの緩和曲線を用いて強い力がかかる時間を短縮したり、カント(レールの傾き)を付けて乗客の横方向にかかる遠心力を縦方向に分散したりして、乗客にかかる力の影響を調整し、身体への負担を軽減している。
日本では、1959年(昭和34年)からローラーコースターが建築基準法の「工作物」として扱われるようになり、法律や省令に基づいて安全基準や定期点検などが実施されている。「工作物」すなわち建物と同じように扱われ、乗り物として扱われていないのは、乗客の乗車地点と降車地点が同じであり、乗車と降車の地点が異なる一般的な乗り物とは用途が違うからと考えられている。
また、車両側に動力をもたない点に着目し、道路上などに緩やかな傾斜のレールを設けて新交通システムとして活用する「エコライド」の研究が、2006年(平成18年)度から2009年(平成21年)度まで新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で、2009年(平成21年)度から2010年(平成22年)度まで経済産業省の委託事業として行われている。
東京ドームシティ アトラクションズ サンダードルフィン