書籍を扱う丸善株式会社(現:丸善ジュンク堂書店)の創業者
早矢仕有的(はやしゆうてき)氏
が考案したとされるハヤシライスを、より多くの人に親しんでもらうことを目的に設けられた記念日。
日付は早矢仕有的氏の誕生日にちなんで、株式会社丸善ジュンク堂書店が9月8日に制定しております。
早矢仕有的氏 誕生日1837(天保8)年9月8日
ちなみに、
- カレーライス
:ルーがベース - ハヤシライス
:デミグラスソースがベース
の違いで名称は区別されております。
ハヤシライス
ハヤシライスは、薄切り牛肉とタマネギをドミグラスソースやトマトソースなどで煮たものを米飯の上にかけた料理。海外の料理をもとに日本で変化した洋食に分類される。近畿地方ではハイシライスとも呼ばれる。
地域によっては牛肉を豚肉で代用したり、マッシュルームやその他の具材を加えることもある。カレーライス等と同様に、即席の固形ルーや温めて米飯に掛けるだけで食べることのできるソースが市販されている。
「ハヤシ」の語源
ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス(Hashed beef with Rice)やハッシュド・アンド・ライス(Hashed and rice)などといった名前が、「ハッシ・ライス」あるいは「ハイシ・ライス」となり、それが訛って「ハヤシライス」となったと言われている。言語学者の楳垣実は1944年の自著『日本外来語の研究』の中で、明治時代によく使われていた古語(および古語の影響の残る方言)で「こまかく切る」という意味を持つ「はやす」という動詞を取り上げ、英語のハッシュド (Hashed) がハッシ・ハイシなどと訛った上で、「はやす」との意味の類推から「はやし肉」などといった語が生まれたことによって、ハヤシライスになったのであろう、と述べている。この傍証として、1908年発行の『海軍割烹術参考書』にドライハヤシとしてハッシュドポテトの調理法が書かれており、当時Hashedをハヤシと表記した例が認められる。
なお、英語で「ハッシュ(Hash)」と言った場合、ハッシュドポテト系の料理を指す場合と、肉汁のスープ(デミグラスソース)で煮込む料理を指す場合とがある。ルポライターの澁川祐子は、この2つが明治年間に混同され、最終的に米飯に合う煮込み料理としてのハッシュだけがハヤシと呼ばれ普及していったのではないかと述べている。
その後、大正年間から昭和年間にかけての料理書では『ハヤシライス』の名称が頻出するようになり、『ハッシュドビーフ』の名称は使用されなくなっていったが、1989年にハウス食品が『ハッシュドビーフ』と名付けたルーを販売し、他社もこれに追随したことから、あたかも別の料理であるかのような混乱が新たに生じるようになった。
早矢仕有的説
丸善創業者の早矢仕有的(はやし ゆうてき)が作った牛肉と野菜のごった煮に由来するとする説。『丸善百年史』に掲載されている説である。
なお、息子の早矢仕四郎はハヤシライスの考案者とも言われるが、真偽の程は不明である。但し、丸善ではハヤシソースの缶詰が売られている。
一説には、住居の2階で医院を開いていた有的が忙しいときにも食べられるごった煮の料理を患者にもふるまったことから、その料理がハヤシライスと名付けられたという。
ハヤシライスのレシピ
<材料(10皿分)>
- 184g 完熟トマトのハヤシライスソース:1箱
- 牛肉(薄切り、切り落としなど):350g
- 玉ねぎ:中3個(600g)
- マッシュルーム:8個
- サラダ油:大さじ2
- 水:900ml(鍋にふたをする場合は750ml)
<作り方>
玉ねぎを薄切りにします。
黒田さん「今回は、まず縦に半分に切ってから横向きに(繊維と垂直に)薄切りにしました。繊維を断ち切るのでやわらかい食感になり、短時間で火が通ってトロトロになります。辛みが抜けやすくなるので、玉ねぎの甘みも、この切り方の方が感じやすいです。
玉ねぎの食感を楽しみたい方は、繊維にそって縦方向に切るのがオススメ。煮込んでも形が崩れにくく、シャキシャキ感が残ります。お好きな切り方を試してください」
マッシュルームは、汚れをふき取って薄切りに(石づきがついている場合は切り落とします)。
黒田さん「泥や汚れが気になるときは、ペーパータオルやふきんで取り除きましょう。マッシュルームに限らず、キノコを水で洗うのはNG。水っぽくなってしまいます。
マッシュルームは水煮でもよいですし、なければ使わなくても構いません。エリンギや舞茸、しめじなど他のキノコを使ってもよいでしょう」
厚手の鍋にサラダ油を熱し、玉ねぎを全体がすき通ってしんなりするまで中火で炒めたら、マッシュルームを加え、全体に油が回るくらいまで軽く炒めます。
黒田さん「厚手のお鍋の特徴は、熱の伝わり方が直接的ではないので、平均していて保温性がよく、具材を加えていっても温度にムラができないこと。上手にほっこりと仕上げることができます。急いで作りたい時には、フライパンでサッと作ってもよいでしょう」
牛肉も加え、軽く炒めます。
黒田さん「この後しばらく煮込むので、牛肉は半分色が変わるくらいまで炒めればOK。
今回は切り落としのお肉を用意してそのまま使いましたが、薄切り肉の場合は3~4cm幅に切ってください。牛肉のかわりに豚肉で作ってもいいですね。冷蔵庫にあるお肉で気軽にできるのもハヤシライスの良いところです」
水を加え、沸騰したらあくを取り、弱火~中火で約5分煮込みます。
黒田さん「見た目や香り、舌触りをよくするために、あくは取り除いておきましょう。少しくらい残っていても大丈夫です」
いったん火を止めてルウを割り入れて溶かし、再び弱火で時々かき混ぜながらとろみがつくまで約10分煮込みます。
黒田さん「ルウを入れる際は、必ず火を止めて沸騰がおさまってからにしましょう。沸騰したままだとルウが溶けにくく、ダマになることがあります。グツグツ煮えているところにルウを入れると、煮汁がはねる心配もありますよね」
ご飯と一緒に盛り付けたらできあがりです。
帝国ホテル並みの旨さ…!【至高のハヤシライス】