1936(昭和11)年9月7日に、オーストラリア・タスマニア州の動物園で飼育されていたフクロオオカミが息を引き取りました…。
ベンジャミン
と名付けられ、大事に飼育されておりましたが、この死はフクロオオカミが絶滅してしまったことを意味していたことから、絶滅危惧種保護への提唱も込めて記念日として制定されております。
絶滅が危惧されている生物の生態系を知り、種を絶やさない
ための生存環境を整える活動などが世界で展開されております。
ちなみに、2017(平成29)年が環境省が発表したデータによると、日本国内だけで確認されている絶滅危惧種は約3,690種とされており、中でも
- アオウミガメ
- ニホンイシガメ
- コウノトリ
- オオタカ
- シマフクロウ
- ツキノワグマ
- ラッコ
- タガメ
- ヤンバルクイナ
などは、近年特に個体数の減少が確認される絶滅危惧種として保護活動に力が注がれております。
フクロオオカミ
フクロオオカミ(袋狼、Thylacinus cynocephalus)は、オーストラリアのタスマニア島に生息していた、哺乳類・フクロネコ目の大型肉食獣。1936年に絶滅。英語では一般的にサイラシンと呼ばれる。タスマニアオオカミの別名があるほか、背中にトラを思わせる縞模様があることから、タスマニアタイガーとも呼ばれる。有袋類ではありながらオオカミにあたるニッチを占めている、いわば「袋を持つオオカミ」であり、収斂進化の代表例としてしばしば取り上げられる。
wikipedia
生態
広い草原や森を主な生息地としていた。単独またはつがいで行動し、日中は木や岩の陰で過ごし、日が暮れてから狩りに出かけた。ワラビーなどの小型哺乳類を主に捕食していたと考えられている。
絶滅の経緯
もともとフクロオオカミは、オーストラリア大陸やニューギニア島を含めたオーストラリア区一帯に生息していたが、3万年前人類が進出してくると、人類やその家畜だったディンゴとの獲物をめぐる競争に敗れ、人類の到達が遅くディンゴの生息しなかったタスマニア島のみに生き残ることになった。この状況は、タスマニアデビルも同様であった。
大航海時代が訪れ、ヨーロッパから入植者が住み着くようになると、彼らのヒツジなどの家畜を襲うフクロオオカミを目の敵にした。1888年から1909年までは懸賞金がかけられ、2,184頭ものフクロオオカミが虐殺されたという。1930年に、唯一と思われる野生個体が射殺され、次いでロンドン動物園の飼育個体が死亡し、絶滅したと思われたが、1933年野生個体が再度捕獲。ホバートの動物園に移されるも、1936年に死亡し、絶滅となった。
それ以降も度々目撃情報があり、タスマニア大学の研究チームなどによる生存調査も実施されているが、映像や死骸等の物的証拠が無く、確実な証拠はない。目撃報告も、ディンゴ、フクロギツネ、外国から持ち込まれた外来種であるアカギツネの誤認も含まれているとみられる。このため、大半の野生動物の専門家はフクロオオカミの生存説には否定的である。
絶滅危惧種の選定と保全活動に関する現状と課題
生物のある種が絶滅すること自体は、地球の生命の歴史においては無数に起きてきた事象である。 しかし、人間の経済活動がかつてないほど増大した現代では、人間活動が生物環境に与える影響は無視できないほど大きく、それによる種の絶滅も発生してきている。野生生物の絶滅は、これからの社会のあり方にも深く影響すると考えられている。
このような絶滅を防ぐためには、生息環境の保全や、場合によっては人間の直接介入(保護活動)などが必要とされることがある。
保全活動の前提として、どの種が絶滅の危機にあるのか、どの程度の危機なのか、また危機の原因はなにか、などを知る必要があり、生物種の絶滅危険程度のアセスメント(総合評価)が行われる。
アセスメントは地球規模で行われるものと、国や地域ごとに行われるものがある。 前者では国際自然保護連合 (IUCN) により、アセスメントとレッドリスト作成が行われている。また、後者では日本においては環境省が実施し、定期的にレッドリスト・レッドデータブックを公表している。ただし、クジラ類の哺乳類や海水魚、海棲の軟体動物は水産庁が担当する為、対象外となっている。トドなどの鰭脚類の哺乳類は環境省と水産庁の両方で管理されるが、評価基準が異なる。これらの事実から日本には完全にまとまった形のレッドデータブック及びレッドリストは、いまだに存在しないとする見方もある。
また、1990年代から各都道府県でも学識経験者・地元有識者の意見や生息調査に基づいて、レッドデータブックが作成・刊行されている。種の選定にあたっての現地調査の正確性や客観性に左右される、評価規準と生息実態との乖離・都道府県ごとの評価規準の不統一・レッドリストの定期的な見直し・保全地域の選定・保全計画の策定等について課題が指摘されている。
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