1977年(昭和52年)のこの日、小西六こにしろく写真工業(後のコニカ)が世界初の自動焦点(オートフォーカス)カメラ「コニカC35AF」を発売した。
当時行った市場調査の結果、撮影済みフィルムの失敗要因の36%がピンぼけであることが判明した。その解消を目指した技術開発によって生まれたのが「コニカC35AF」である。この自動焦点カメラは、シャッターを押すだけで自動的にピントを合わせてくれる画期的なカメラであった。
この「コニカC35AF」は「ジャスピンコニカ」という愛称で呼ばれ、誰でもピンぼけせずに撮れるということで、それまでカメラに縁のなかった女性や中高年層の市場を開拓した。そして、このカメラは2年間で100万台を売る大ヒットとなった。
ちなみに、「小西六写真工業」の「六」は、1873年(明治6年)に東京・麹町で創業した時の店の名前である「小西屋六兵衛店」に由来する。
米穀商から商いを始めた「小西屋」は、東京でも有数の大商店であった。6代目の六右衛門は25歳の時に写真館で撮影した写真に感動し、写真材料の取り扱いを始めた。その後、家業から独立、日本橋に写真材料と薬種を取り扱う「小西本店」を開業した。
コニカC35AF・ジャスピンコニカ
コニカC35AF(1977年発売) – コニカニューC35EFをベースに、ハネウェルのビジトロニックモジュールを採用して世界初のオートフォーカスカメラとして発売された。ピントがいつでもちょうどぴったり合うコニカC35ということで、愛称は「ジャスピンコニカ」と名付けられた。レンズはヘキサノン38mmF2.8。フォーカスロック機能はない。
世界初、自動焦点調節機能(AF)の商品化で衝撃的に登場。愛称の「ジャスピン」がAFカメラの代名詞となる。引き続き宣伝活動に井上順さんを起用。TVCMの「ピンボケさんさようなら…」は流行語となった。
レンズ | HEXANON38mmF2.8(3群4枚) |
フィルム | 135サイズ |
フィルム給送 | 手巻 |
焦点調節 | AF |
撮影距離 | 1.1m~∞ |
電源 | 単3×2 |
シャッター | 1/60,1/125,1/250秒 |
その他 | 世界初AFカメラ |
サイズ | 132×76×54mm |
重量 | 375g |
価格 | 44,800円 |
コニカ・ジャスピンコニカ CM
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