2007(平成19)年1月9日、Apple製品の展示会として開催されたMacworld Expo 2007にて、
初代iPhone
がアメリカで発表されました。
同社から2001(平成13)年10月23日に発売され、世界的に大ヒットとなっていたデジタルオーディオプレーヤー
iPod
の筐体を活かし、
- 携帯電話
- デジタル音楽プレーヤー
- インターネット通信
- 電子メール
などのアプリを、タッチパネル方式で操作可能にした携帯電話は、画期的な未来の携帯電話として登場から多くの注目を集めました。
それまでもタッチパネルを利用した操作技術は登場していたものの、同時に一箇所のみの操作処理しか行えないものがほとんどでした。
が、iPhoneはマルチタッチと呼ばれる技術の開発に成功し、複数の指を同時に使うことでバリエーションに富んだ操作性を可能にしました。
それまでの携帯電話とは一線を画す機能性を備えた携帯電話の登場は、誤作動やアプリ等の起動の重さ等もありながらスマートフォン時代を告げる先駆け的立ち位置を確立し、以後毎年新型iPhoneが発表され、世界中から人気と注目を集めております。
ちなみに、初代iPhoneに採用された携帯電波方式は
GSM
と呼ばれる通信方式のみだったため、GSM方式に対応していない日本を含む国や地域では発売が見送られました。
日本にiPhoneが登場したのは、2008(平成20)年に登場した
iPhone3G
と呼ばれる世代のものからとなっております。
iPhoneの開発
アップルのスティーブ・ジョブズは、タブレットコンピュータのようにキーボードやマウスを用いず、マルチタッチパネルを用いるディスプレイへの直接入力を発想し、これをサイドプロジェクトとしての研究を技術者集団へ指示し、試作品やユーザインタフェースを見直していた時に携帯電話へ技術を実装するアイディアを発想している。2005年に開始されたProject Purple 2は、AT&T(旧シンギュラー・ワイヤレス)とコラボレーションしながら、推定1億5千万ドルの開発費と30か月間以上を費やして極秘にデバイス製作している。モトローラとのコラボレーションであるMotorola ROKR E1が失敗に終わったことで委員会による設計を採用されていない。
初代iPhoneは2007年1月9日にカリフォルニア州サンフランシスコのモスコーン・ウェストで開催されたMacworld Conference & Expoの基調講演でスティーブ・ジョブズによって、「2年半の間、この日を楽しみにしていた」「本日、アップルは電話を再発明する」、iPhoneは「タッチ操作のできるワイドスクリーンのiPod」「革命的な携帯電話」「インターネットコミュニケーター」の3つを統合したデバイスであると発表されている。
iPhoneの発売
2007年6月29日、アメリカ合衆国での発売時にApple StoreやAT&T直営店の周囲では発売日前から1000人が行列し、多くの店では1時間程度で完売状態になりPlayStation 3の発売時に発生した様な強盗や銃撃を防ぐため、非番の警察官が店舗を警備する騒動になる。アメリカ人の10人に6人がiPhoneは発売前からチェックしていたとする調査結果もある。同年11月にイギリス、フランス、ドイツで、2008年春にはアイルランド共和国、オーストリアでも発売される。その他の地域(カナダ、オーストラリア、日本など)では発売されず、後継機種のiPhone 3Gを待たなければならなかった。
Apple – Macworld San Francisco 2007 Keynote Address – HD