東京都豊島区目白に事務局を置き、国内のフルートメーカーと楽器販売店などで構成する日本フルート普及推進協議会(JFPA)が制定。
日付は「フ(2)ルート(10)」と読む語呂合わせから。記念日を通じてフルートの魅力をもっと多くの人に知ってもらい、演奏を始めるきっかけの日となることが目的。記念日は2018年(平成30年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
この日を中心として、同協議会の協賛各社の店舗やギャラリーなどで、「フルートを触ったことがない人」や「昔やっていたが、フルートをやめてしまった人」などを対象にした「フルート無料体験会」を実施している。
昔から「習い事・芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」という言い伝えがあり、これにちなんで6月6日は「楽器の日」となっている。また、6月17日はフルート奏者の横田美穂氏を中心とした音楽ユニット「オトのハコブネ」の記念日で「オトのハコブネの日」となっている。
フルートについて
今日一般にフルートというと、銀色または金色の金属製の筒に複雑なキー装置を備えた横笛、つまりコンサート・フルートを指すが、古くは広く笛一般を指していた。特にJ.S.バッハなどバロック音楽の時代にあっては、単にフルートというと、現在一般にリコーダーと呼ばれる縦笛を指し、現在のフルートの直接の前身楽器である横笛は、「トラヴェルソ(横向きの)」という修飾語を付けて「フラウト・トラヴェルソ」と呼ばれていた。しかし、表現力に劣る縦笛は次第に廃れてしまい、フルートといえば横笛を指すようになったのである。かつてはもっぱら木で作られていたにもかかわらず、現在は金属製が主流となっているが、フルートは唇の振動を用いないエアリード式の楽器なので、金属でできていても木管楽器に分類される[1]。
現代のフルート(モダン・フルート)は、バス・フルートなどの同属楽器と区別する場合、グランド・フルートまたはコンサート・フルートとも呼ばれ、通常C管である。19世紀半ばに、ドイツ人フルート奏者で楽器製作者でもあったテオバルト・ベームにより音響学の理論に基づいて大幅に改良され、正確な半音階と大きな音量、精密な貴金属の管体、優美な外観を持つに至った。このドイツ生まれのフルートは、最初にフランスでその優秀性が認められ、ついには旧式のフルートを世界から駆逐してしまった。今日単にフルートと言った場合は、例外なく下図のような「ベーム式フルート」のことである。
フルートはキーを右側にして構え、下顎と左手の人さし指の付け根、右手の親指で支える(三点支持)。両肩を結ぶ線と平行に持つのではなく、右手を左手より下方、前方に伸ばす。奏者は正面ではなくやや左を向き、右に首をかしげて唇を歌口に当てる。
発音にリードを用いないため、ほかの管楽器よりもタンギングの柔軟性は高い。運動性能も管楽器の中では最も高く、かなり急速な楽句を奏することも可能である。音量は小さい方であるが、高音域は倍音が少なく明瞭で澄んだ音なので、オーケストラの中にあっても埋もれることなく聞こえてくる。フルートの音色は鳥の鳴き声を想起させることから、楽曲中で鳥の模倣としても用いられる。有名でわかりやすい例として、サン=サーンスの組曲『動物の謝肉祭』の「大きな鳥籠」、プロコフィエフの交響的物語『ピーターと狼』などが挙げられる。
主にクラシック音楽の分野で用いられるが、ジャズやロックなど、他の音楽ジャンルで使用されることもある。しかし、ジャズ専門のフルート奏者は少なく、サクソフォーンなどのプレイヤーが持ち替えるか、クラシックとジャズの両方で活動するというケースが多い。
フルートオーケストラスタディー:サン=サーンス『鳥かご』〜動物の謝肉祭より
モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調