こんにゃくは、英語圏では「Devil’s Tongue(悪魔の舌)」などと呼ばれています。その由来は食品の方ではなく、植物としてのこんにゃくが咲かせる花にあるといわれています。
こんにゃくの花は、天に向って真っすぐ伸びた棒状のものが、1枚の花びらに包まれているかのようなの形状(※)。水芭蕉の花にも似ていますが、白く美しい水芭蕉とは対照的に濃い赤紫色をしており、ちょっと怖い印象を受けそうです。
開花すると腐ったような強烈な匂いがする…
ことが知られており、この近寄りがたさを感じさせる外見と臭いから、「Devil’s Tongue」と呼ばれるようになったのかもしれません。ちなみに、こんにゃくの学名は「Amorphophallus konjac」というのですが、「Amorpho」は無定形、「phallus」は男根を意味します。こちらも何だか恐ろしい感じ。
※ こんにゃくの花のように見える部分は、実際には花ではない。多数の小さな花の周囲を、花びらのように見える「仏炎苞(ぶつえんほう)」が覆っており、突き出た棒状の部分は「付属体」と呼ばれる。
ただし、こんにゃくの花が咲くのは数年に1回だけ。畑では花ができる前に収穫してしまうため、実物を目にする機会はあまりなさそうです。特に世界的にも開花例が少ない「ショクダイオオコンニャク」は花が非常に大きく、臭いも強烈で、「世界一大きな花序(花の集まりのこと)」「世界で最も醜い花」「死体花」と評されています。