1875年(明治8年)のこの日、明治天皇が水戸家の下屋敷を訪れた際に、お花見のお茶菓子として木村屋(現:木村屋總本店)の「あんパン」が出された。
明治初期、銀座の木村屋がパンを売り出しだが、日本人の口に馴染まずなかなか売れなかった。そこであんをつめて売ると、饅頭に似てしかも変わった風味だということで大ヒットした。
当時天皇の侍従をしていて「あんパン」好きであった山岡鉄舟は、木村屋の木村安兵衛に「これまでは京都の和菓子をお出しすることが多かったが、純日本製の「あんパン」をお出ししたらどうか」とアドバイスした。
木村安兵衛は、それまでの「あんパン」に工夫をこらし、日本を代表する花である八重桜の塩漬をいれた「桜あんパン」を開発した。天皇はこれをいたくお気に召し、木村屋の「あんパン」は皇室の御用達となった。その後、一般にも市販されるようになると、また大ヒットしたという。
記念日は、東京都江東区有明に本社を置き、各種パン・和菓子・洋菓子の製造・販売を行う株式会社木村屋總本店が制定。2001年(平成13年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
関連する記念日として、4月12日は「パンの記念日」、毎月12日は「パンの日」となっている。
あんパンの製法
木村屋のあんパンは、パン酵母(ホップを用いたもの)の代わりに、酒饅頭の製法に倣い日本酒酵母を含む酒種(酒母、麹に酵母を繁殖させたもの)を使った。パンでありながらも、和菓子に近い製法を取り入れ、パンに馴染みのなかった当時の日本人にも親しみやすいように工夫して作られていた。
現代では中の餡はつぶあん、こしあんの小豆餡が一般的である。中には、インゲンマメを使った白あんパンや、イモあんパン、栗あんパンなどの豆以外の餡を使ったもの、桜あんやうぐいすあんを使った季節のあんパンもある。
典型的な形状は平たい円盤。ケシの実(ケシの種)、塩漬けの桜の花(ヤエザクラ)、ゴマの実が飾りに乗せられる。
あんパンを揚げたものは揚げあんパンやあんドーナツとも呼ばれる。さらには、トーストに餡を挟んで揚げたものもある。
あんぱんの作り方 こし餡・粒餡・シンプルあんぱん How to make Japanese buns filled with sweet red bean paste