公益財団法人・日本サイクリング協会(Japan Cycling Association:JCA)が、創立45周年記念事業として2009年(平成21年)4月に制定。
1964年(昭和39年)のこの日、同協会が文部大臣から公益事業を行う財団法人として認可され設立された。
人がこぐことで走行する自転車は、CO2などの温室効果ガスや騒音を出さず、自然環境にやさしい乗り物であり、また、健康の維持・増進への効果が期待できる。そんな自転車の積極的活用の推進を図り、サイクリングに対する関心と理解を深めることが目的。
サイクリングとサイクリングロードについて
サイクリング(cycling)は、自転車に乗ること、スポーツである自転車競技などを意味する。日本では、レクリエーション、スポーツとして自転車に乗ることを指す場合が多い。
1970年(昭和45年)に「自転車道の整備等に関する法律」が成立したことで、「サイクリングロード」と呼ばれる自転車専用道路などが建設されるようになった。これは、自転車の通行の安全を確保し、自転車や歩行者の交通事故を防止することが目的であった。
サイクリングの歴史
1878年にはイギリスで世界最初のサイクリング同好者によるサイクリングクラブが誕生した。1898年にはヨーロッパの17か国が参加する国際組織が設立された。
日本では、1886年(明治19年)に結成された帝国大学の教員による「自転車会」を嚆矢として自転車クラブが設立されるようになるなど、世界的にサイクリングが普及していった。
日本では、自転車が当初富裕層の娯楽として受け入れられ、大正時代に普及が本格化すると業務や家庭の実用に供された。1935年(昭和10年)に本格的なスポーツ車が作られ始めるが、戦争によってこの流れはいったん途絶える。第二次世界大戦後、1950年代頃からサイクリングが野外での健康的なスポーツとして認識され始め、全国各地に同好クラブが設立されるようになった。特に1954年(昭和29年)、荷物を載せるための運搬車ではなく人が乗るだけの軽快車やディレーラーを備えたスポーツ車が現れるようになり、サイクリングが流行した。これを受けて、ベテランサイクリストらにより、日本サイクリング協会が結成され、ボランティアの普及活動が始まった。サイクリング向きの自転車は生産量がまだ十分でなく高価であったため、貸自転車の利用が中心であり、また、指導者が不足したことなどから短期間のブームに終わった(第1次サイクリングブーム)。
1961年(昭和36年)のスポーツ振興法の制定により、自転車旅行・サイクリングは国民の健全なスポーツとして国が奨励するものとなった。1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催に向けスポーツ自転車の研究が進み、第2次サイクリングブームが起こった。また1964年には財団法人日本サイクリング協会 (Japan Cycling Association, JCA) が発足した。1966年(昭和41年)にはスポーツ車の需要急増に伴い、生産が大幅に増加した。第1回の体育の日となったこの年の10月10日、国鉄大阪鉄道局が大阪駅〜相生駅間で初のサイクリング専用電車(サイクルトレイン)を運行した。その後東京でも同様の列車が運行された。翌1967年(昭和42年)10月10日には、日本で初めてのサイクリング用道路、神奈川県青少年サイクリングコース(金目川サイクリングコース)が開通した。
1970年(昭和45年)に自転車道の整備等に関する法律が成立し、自治体と河川管理者などの協力によってサイクリングロードが建設されるようになり、太平洋岸自転車道のような長大な自転車道も構想された。この頃日本の自転車産業ではランドナー、スポルティーフ、キャンピング車といった自転車旅行(ツーリング)向きの自転車の生産が盛んで、また、ブリヂストン・ロードマンに代表される「サイクリング車」が好評を博した。また、1974年(昭和49年)から1982年(昭和57年)まで、自転車で日本一周に挑戦する少年を主人公とする漫画『サイクル野郎』が連載された。
サイクリングの形態
サイクリングには次のような形態がある。
- ポタリング
身近な場所までピクニック程度に自転車の走行を楽しむ形態。街中での食べ歩きや名所・旧跡巡りを楽しむ「散歩」的なサイクリングを特に散走やポタリングと呼ぶことがある。
- ファストラン(快速走行)
サイクリングコースやサイクリングロードなど整備された道を自転車に乗って軽快に走行する形態
- ツーリング
ユースホステルや国民宿舎等の宿泊施設を利用しながら数日から十数日の日程で自転車旅行を楽しむ形態
- アドベンチャーサイクリング
自転車を利用して山への登頂や砂漠の走破、世界一周などにチャレンジする形態
また、サイクリングは様々な野外活動やスポーツとも結びつき、キャンプと結びついたサイクルキャンピングや、オリエンテーリングと結びついたサイクルオリエンテーリングもある。
サイクリングの形態によりさまざまなタイプの自転車が考案されており、道具を選び、道具を楽しむという側面もある。
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