1981年(昭和56年)に関西納豆工業協同組合が関西地域限定の記念日として制定し、その後、1992年(平成4年)に全国納豆協同組合連合会が、改めて全国の記念日として制定した。
「なっ(7)とう(10)」(納豆)の語呂合わせ。全国納豆協同組合連合会は、この日とは別に1月10日を「糸引き納豆の日」としている。
納豆の語源は、寺院の出納事務を行う「納所(なっしょ)」で作られたことに由来する説が有力。「納豆」という語句が確認できる最古の書物は、11世紀半ば頃に藤原明衡(ふじわら の あきひら)によって書かれた『新猿楽記(しんさるごうき)』であり、平安時代には「納豆」という言葉が存在していたことが確認されている。
納豆をかき混ぜる回数
農林水産省の食品総合研究所が行なった実験によると、納豆の旨み成分である
- アミノ酸
- 甘味成分
は、かき混ぜればかき混ぜるほど旨味が増すというデータ結果が出ております。
かき混ぜる回数の目安としては、
- 約200回〜:違いが出始める
- 約300回〜:旨味成分が増すのだとか…。
公表データ
かき混ぜ回数 | アミノ酸 | 甘味成分量 |
100回〜 | 約1.5倍増 | 約2.3倍増 |
200回〜 | 約2.5倍増 | 約3.3倍増 |
300回〜 | 特に変化なし | 約4.2倍増 |
また、美食家として名を馳せた北大路魯山人も、著書『春夏秋冬料理王国』の中で、納豆を美味しく食するポイントは、ドロドロになるまで400回練ることと記しております。
納豆は夜に食べた方が良い?
納豆にはナットウキナーゼという酵素が含まれており、ナットウキナーゼは
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
などの起因となる血栓を溶かす作用を持つ健康成分とされております。
また、個人差はあるものの、納豆を食べてから約2時間後くらいから体内で働き始め、約8~10時間ほど持続すると考えられております。
心筋梗塞や脳梗塞は、早朝に発症しやすい疾患のため、血栓予防のためには、夕食の時間帯に納豆を食べた方が効果的だと提唱する医師がほとんどです。
納豆は常温で食べるのが良い!
上記のナットウキナーゼは、70℃以上の熱で壊れてしまう特性があるため、加熱しないで常温のまま食べるのが血栓予防には適しております。
納豆の栄養・効果
血液凝固因子を作るのに不可欠なビタミンKや大豆由来のタンパク質が豊富であり、現在でも上質なタンパク質源とも言える。食物繊維は100グラム中に4.9 – 7.6グラムと豊富に含まれる。食物繊維はオリゴ糖等と共にプレバイオティクスと呼ばれる腸内環境に有用な成分であり、納豆菌はプロバイオティクスと呼ばれ、これも腸内環境に有用と考えられている。納豆には抗菌作用が認められ、抗生物質が見出される以前は、赤痢、腸チフス、病原性大腸菌などの増殖を抑制する作用があることから、腹痛や下痢の治療に用いられていた事がある。納豆に含まれるジピコリン酸は、抗菌作用を有し、溶連菌、ビブリオ、病原性大腸菌などへの抗菌効果が認められている。
納豆には血栓を溶かす酵素が含まれており、納豆から単離したナットウキナーゼを経口投与したイヌで血栓の溶解が観察されたという報告がある。
納豆に含まれるビタミンK2は骨タンパク質の働きや骨形成を促進することから、ビタミンK2を多く含む納豆が、特定保健用食品として許可されている。また、ポリグルタミン酸にはカルシウムの吸収促進効果があるため、納豆から抽出されたポリグルタミン酸が特定保健用食品として許可されている。納豆菌の一部には、安定した芽胞のまま腸内まで生きて到達してビフィズス菌を増やし腸内環境を正常化する効果があることから、そのような効果を持つ納豆が特定保健用食品として認可されている。
多くのマメ科植物の種子と同様に、ダイズ種子中には有毒なタンパク質性のプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターやレクチンが含まれているため、生食はできない。そのため、加熱してプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターを変性・失活させて消化吸収効率を上げている。なお、加熱してもプロテアーゼ・インヒビターの失活は十分ではないので、納豆菌などを繁殖させて納豆菌の分泌するプロテアーゼによってダイズ種子中のタンパク質を分解させると、タンパク質の消化吸収効率が増大する。
米飯食、米飯+大豆食、米飯+納豆食で食後血糖値を比較したところ、米飯+納豆食、米飯+大豆食、米飯食の順で血糖の上昇が少なかった。納豆の水溶性食物繊維や粘性の高い成分が血糖の抑制に貢献した可能性がある。
『本朝食鑑』には、「腹中をととのえて食を進め、毒を解す」とあり、整腸作用は古くから知られている。これは、納豆菌が胃酸に耐えて腸まで生きたまま届くためである。
廃物も利用されている。ニワトリの飼料に加えることで、鶏卵のコレステロールを低減させることが報告されている。また、冷蔵庫で長期保存すると白いカビのような物が発生するが、これはチロシンというアミノ酸の一種で、風味は悪くなるが食べても差し支えはない。
イソフラボン (免疫力増強作用・ホルモンバランス正常化作用)、レシチン (整腸・抗菌殺菌効果)、サポニン (抗菌殺菌・高血圧・血栓予防)の効果がある。「納豆食うひと、色白美人」の諺(ことわざ)があるほど、納豆は整腸効果や満腹効果以外に、良質な栄養源であり健康に役立つ食品である。
必須元素のセレンが大量(234μg/100g)に含まれているとする説があるが、原料の大豆は含有量 17.8 μg/100g なので疑問がある。
また、納豆菌には虫歯菌や歯周病菌の働きを抑制する効果があるので虫歯や歯周病を予防する効果がある事が知られている。
納豆製造業者日本国内シェア順位
- タカノフーズ(おかめ納豆、茨城県小美玉市) – 1位
- ミツカン(金のつぶ、くめ納豆愛知県半田市) – 2位
- あづま食品(朝めし太郎納豆、栃木県宇都宮市) – 3位
- ヤマダフーズ(おはよう納豆、秋田県仙北郡美郷町) – 4位
- マルキン食品(元気納豆、熊本県熊本市) – 5位
天然藁納豆の作り方