おもちゃメーカー・タカラ(現:タカラトミー)から発売されている着せ替え人形「リカちゃん」の誕生日。
リカちゃん人形は、漫画家の牧美也子の漫画キャラクターをもとに作られ、1967年(昭和42年)7月に初代リカちゃんが発売された。値段は1体600円。リカちゃんは瞬く間に女の子の間に浸透していき、発売から2年後には着せ替え人形においてトップの地位を獲得した。リカちゃん人形の累計出荷数は5300万体を超える。
本名は香山リカで、5月3日生まれ、おうし座。年齢は11歳で小学5年生。身長142cm、体重34kg。趣味はお菓子作り。性格は明るくてちょっぴりあわてんぼう。好きな色は白とピンク、好きな花は赤いバラ。パパ(ピエール)はフランス人の音楽家で海外へ単身赴任中、ママ(織江)はファッションデザイナーという設定になっている。
苗字の香山は、女優の香山美子と俳優・タレントの加山雄三に由来する。2010年(平成22年)度の日本タレント名鑑(VIPタイムズ社刊)にプロフィールが掲載されている唯一の架空キャラクターでもある。
リカちゃん来歴
1966年、元々ダッコちゃん等のビニール玩具のメーカーだったタカラ(旧タカラビニール – 1966年)は、そのビニール加工のノウハウを生かして着せ替え人形市場への参入を計画していた。当初は米マテル社のバービーや、米旧アイデアル社のタミー等の他社の着せ替え人形用の、子供が持ち運びできるドールハウスを企画していたが、既存の人形のサイズに合わせると、ハウス自体のサイズが相当大きくなることが予想された。これが日本の住宅事情や子供の持ち運びに適さないとして根本的に企画が見直され、日本の事情に見合った大きさのドールハウスと、それに合ったサイズの独自の着せ替え人形として1967年に企画・開発されたものが本項のリカちゃんである。
企画にあたり、日本の少女たちがより身近に感じられるようなファッションドールというテーマが掲げられ、小学生という設定と、小さな女の子の手の平の中に収まる身長21cmという大きさと、当時流行していた少女漫画のヒロインのような顔立ちが採用された。漫画家の牧美也子が発売当時の広告のイラストを担当し、広告には「牧先生監修」という表記がされていた。「リカちゃん」という名前は月刊少女漫画雑誌「りぼん」の1967年7月号誌上の一般公募で決定されたことになっているが、実際には発表号をずらして、読者でなくタカラ側が命名した。日本人でも外国人でも通用する名前をということでリカとなった。
親しみやすい仕様が日本の子供に受け入れられたことと、マテル社が生産拠点を他国に移して日本でのバービーの販売に力を入れなくなったという市場の追い風を受け、発売から2年後の1969年には日本での売り上げでリカちゃんがバービーを上回った。その年の年末商戦でも他の人形を圧倒し、それ以降、事実上日本の着せ替え人形の女王として君臨しはじめる。それ以前に売上トップを飾った着せ替え人形は、中嶋製作所(現ナカジマコーポレーション)の「スカーレットちゃん」とアイデアル社の「タミーちゃん」だった。
その後、何度か売上が低迷した時期もあった。1993年から1995年まではバンダイの「セーラームーン人形」の売上が単年度でリカちゃんの売上を上回るものの、1996年には再び着せ替え人形売上のトップに返り咲く。
現在の日本でも「着せ替え人形のリカちゃん」の認知は極めて高い。あまり人形に詳しくない人が他社の着せ替え人形も全て「リカちゃん」とひとくくりにしてしまうこともあるほどで、日本における着せ替え人形の代名詞と化している。その高い認知から旧タカラ時代から現在のタカラトミーに至るまで、リカちゃんはメーカーのコーポレートアイデンティティ的キャラクターに位置付けられ、広報・宣伝の顔の1つとなっている。また、可愛らしく親しみやすく家庭的なキャラクターイメージから、多くの企業や公共機関のCMキャラクターとして採用されている。
「香山リカ(商標の称呼はカヤマリカチャン、カヤマリカ、コーヤマリカ)」という設定上の本名をタカラが1999年3月9日に商標出願した際「同名の精神科医香山リカの承諾を得られていない」という理由で一度拒絶されたが、タカラが不服を申し立てた結果、精神科医香山リカの筆名の方が本商品に因んでいることが認められ、翌年9月21日、無事出願が受け付けられた。
リカちゃん仕様
リカちゃんは年代によって改良が加えられ、1967年発売の初代と2009年現在のリカちゃんの仕様は大きく異なっている。ここでは2009年現在の、現行販売されているリカちゃんの仕様について解説する。
胸部は ABS樹脂、腰部はポリプロピレン、腕・足・頭部はポリ塩化ビニル(ソフトビニル)、もしくは足はオレフィン系熱可塑性エラストマーから構成されている。腕・頭部のポリ塩化ビニルはゾル状からの射出成形、足はペレット状からの射出成形。近年、ポリ塩化ビニルに含まれる可塑剤の揮発による健康被害への対策として、使用する可塑剤が非フタル酸系に変更されたり、足の素材変更がされたりしている。腕の内部には、肌色のビニールでコーティングしたステンレス製の針金2本を中央部で合成ゴムで接続し、U字型に曲げたパーツが組み込まれ、この針金の変形の保持と、肩・腰・大腿付け根のジョイント部分の回転により、腕と足、首のある程度の可動やポージングが可能となっている。
リカちゃんの髪にはPVDC繊維が使われている。ごくまれにPVC繊維が採用されることもある。また、乳幼児の誤飲による窒息事故を避けるために、小さな部品には気道確保のための穴が開けられており、リカちゃんの靴や小物等には毒性の無い苦味成分が塗布されている。
人形の仕様は各商品によって細かい差異があり、様々な瞳の色やメイク、髪色・髪型のバリエーションが存在する。ほとんどの商品の製造は1回限りで、完売した場合は同じ仕様の商品が再生産される可能性は低い。
リカちゃんキャッスルの所在地である福島県小野町において、ふるさと納税の返礼として500体の「特製 リカちゃん人形」が開始から1ヶ月で全て返礼として在庫がなくなったと2017年6月に報じられた。
リカちゃんのおはなし「サプライズパーティー!」