2016年(平成28年)12月の国連総会で制定。翌2017年(平成29年)から実施。国際デーの一つ。英語表記は「World Tuna Day」。
現在、80ヵ国以上が、まぐろ漁を行い、数多くのまぐろ漁船があらゆる海洋で活動している。そして、まぐろ漁はインド洋と太平洋でこれからも引き続き拡大すると考えられる。また、多くの国々が、食の安全保障と栄養、経済開発、雇用、政府の歳入、暮らし、文化および余暇について、まぐろ資源に大きく依存している。
まぐろは個体数が少ない上に需要が高いため、世界中で乱獲され、国際的な資源の保護が叫ばれている。この国際デーは、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を達成するために持続可能に管理された資源の重要性を認識するための日である。
マグロについて
マグロ(鮪)は、サバ科マグロ属(学名:Thunnus)に分類される硬骨魚類の総称である。暖海性で外洋性・回遊性の大型肉食魚で、日本を始めとする世界各地で重要な食用魚として漁獲されている。
全世界の熱帯・温帯海域に広く分布するが、種類によって分布域や生息水深が異なる。海中では口と鰓蓋を開けて遊泳し、ここを通り抜ける海水で呼吸する。泳ぎを止めると窒息するため、たとえ睡眠時でも止まらない。
マグロ属には、クロマグロ、タイセイヨウクロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、ビンナガ、キハダ、コシナガ、タイセイヨウマグロの8種が含まれる。英語名「Tuna」は「マグロ」と日本語訳されがちであるが、実際は上位分類群のマグロ族(Thunnini)全般を指し、マグロだけでなくカツオ、ソウダガツオ(マルソウダ、ヒラソウダ)、スマなどを含む。
「マグロ」の名前の由来は、目が大きく黒い魚であることから「目が黒い」→「目黒」→「まぐろ」となったという説がある。また、保存することが困難とされたマグロは、常温で時間が経つと真っ黒になることから「まっくろ」→「まくろ」→「まぐろ」となった説もある。
日本人とマグロ
日本人は古くからマグロを食用とし、縄文時代の貝塚からマグロの骨が出土している。『古事記』『万葉集』にも「シビ」の名で記述されており、「大魚(おふを)よし」は「鮪」の枕詞。
江戸の世相を記した随筆『慶長見聞集』ではこれを「しびと呼ぶ声の響、死日と聞えて不吉なり」とするなど、その扱いはいいものとはいえなかった。これは鮮度を保つ方法が無く、腐敗しやすいことが原因である。かつては魚介類の鮮度を保つには、水槽で生かしたまま流通させる方法があったが、マグロの大きさではそれが不可能であった。また干魚として乾燥させる方法もあるが、マグロの場合は食べるに困るほど身が固くなる(カツオの場合は、乾燥させた上で熟成させ、鰹節として利用したが、マグロはその大きさから、そういった目的では使われなかった)。唯一の方法は塩漬にする事だが、マグロの場合は食味がかなり落ちたため、下魚とされ、最下層の庶民の食べ物だった。
江戸時代中期から調味料として醤油が普及した。これにより、マグロの身を醤油漬けにするという新たな保存方法が生まれ、「ヅケ」と呼ばれ、握り寿司のネタとして使われ出した。
鮪(まぐろ)のさばき方:柵取り – How to filet Tuna ver. Saku-dori -|日本さばけるプロジェクト