どうも、なぐです。今日はWestoneのシングルBA機のUM Pro 10のレビューです。Westoneのあのオレンジ色のケース…気分が上がりますね。(笑)
有名ミュージシャンにも愛用者が多い憧れのブランド…Westone。以前から興味はあったのですが、今回はそのWestoneが出したシングルBA機というのに興味を惹かれて買ってみました。
Westone ウェストン UM Pro10 ユニバーサルイヤホン イヤーモニター 1バランスドアーマチュアドライバ IEM WST-UMPRO10-2017
UMシリーズの中ではボトムラインで手が出しやすかった…というのもありますが、シングルBAでどんなサウンドが出せるのか非常に興味があったからです。
バランスド・アーマチュアドライバは高音部の再生に定評があり、マルチドライバ機でも中・高音部を担当して低音部はダイナミック・ドライバ…というパターンがほとんどだからです。
ほんとうに、シングルBAでしっかりとした低音の再生が出来るのか?すごく興味がありました。
Westone UM Pro10 の基本情報&スペック
- Westone ユニバーサルインイヤーモニター 1BAドライバモデル
- プロミュージシャンからの信頼も厚いステージ用インイヤーモニター
- ステージの騒音から聴覚を保護するだけでなく、ミキサーからのリターンを細部まで正確に再現
- フラットかつニュートラルな音でリスニングにも好適
- 同梱物:イヤーチップ各種、モニターヴォルトケース、クリーニングツール
プロ仕様のハイパフォーマンス インイヤーモニター【UM PROシリーズ】
UM Proシリーズはプロミュージシャンの厳しい要求にも応える音質チューニング工程を経たバランスド・アーマチュア・ドライバを採用。低音から高音まで楽器に忠実な音を再現します。その音質はピュアでクリア。ステージ上のミュージシャンが求める「クリアでピュアな音質」をそのまま伝えるWestoneのロングセラーシリーズです。
スペック
形式 | 密閉型 |
---|---|
ドライバー | バランスド・アーマチュア・ドライバ 1基 フルレンジ |
再生周波数帯域 | 20Hz ~ 16KHz |
入力感度 | 114dB |
インピーダンス | 19Ω |
パッシブノイズ減衰 | 25dB |
入力端子 | 3.5mmステレオ |
ケーブル/コード長 | EPIC ケーブル(MMCX)/128cm(Y字型) |
重量 | 12.7g |
同梱品 | イヤーチップ各種 ミニモニターヴォルトケース クリーニングツール |
2018年 VGP2018 ライフスタイル分科会 部門賞受賞
音質評価他
装着感
シングルBAドライバという事で物理的な容積が少ないので、筐体は全体に平べったくて薄い非常に軽い筐体です。イヤーピースとの関係もありますが、自分がチョイスした上の写真のイヤーピースでは、耳にしっかり押し込んで良いポジションにセットすれば、ずれたり外れたりする事はありません。ただ、ベストポジションを見つけるのにちょっと手間がかかりました。(笑)いいポジションに納まれば、遮音性も高く…音楽をじっくり楽しめます。
★★★★☆
高音部
ここはBAドライバの得意分野ですから、ライドシンバルのアタック音やクラッシュシンバルのシズル感も非常にクリアに再現してくれます。楽器の分離も良いので見通しの良いクリアな高音部の表現力です。この辺はさすがですね。
★★★★★
中音部
ここも高音部と同じくBAドライバの得意分野なので非常に魅力的です。音の厚みで量的に聴かせるというよりは、全体に非常にすっきりとクリアで繊細な表現が得意な様な気がします。とにかくシングルならではの「濁りのない」ピュアなサウンドはまさしく、綺麗で澄み切った水の様な音です。ボーカルの生々しいほどの表現力は本機の一番のアピールポイントだと思います。
★★★★★
低音部
ここが一番問題となる部分です。はたしてシングルBAで満足いくような低音を鳴らせるのか…?ロック、ジャズ、クラシック…いろいろ試聴してみましたが、非常に頑張っていると思います。重く沈み込むような低音はさすがにのぞめませんが、タイトでキュッと引き締まった低音の表現です。全体のバランスが良いので、これくらいが一番良いのかな…とも思えます。もちろん、再生する音源によりますがEDMの様な低音重視の楽曲はちょつと辛い感じもしましたが、その他は素晴らしいと言えると思います。あとは、リスナーの好みの問題が大きいですが、重低音がとにかく大好き!という方以外は満足出来ると思います。星4つは評価できると思います。
★★★★☆
解像度
BAドライバならではのキリッと引き締まった解像度が素晴らしいです。各々の楽器の分離が良く…見通しが良い音質です。音場は中程度の広がりですが、マルチドライバの様なゴチャつきや濁りがないので、結果高解像度のサウンドとなっています。
★★★★☆
製品写真
Westone ウェストン UM Pro10 ユニバーサルイヤホン イヤーモニター 1バランスドアーマチュアドライバ IEM WST-UMPRO10-2017
試聴してみました。
First Love:宇多田ヒカル
このアルバムをチョイスしたのは「Automatic」の冒頭のバスドラのキックと歌入りからの重低音のベースがどう聴こえるか試したかったから…。結果、一番底の部分の重低音はちょっとだけ弱めかなぁと思いましたがタイトで締まりのある低音なので、それほど違和感はありません。もともと音圧で聴かせるようなイヤホンではない訳で…充分満足出来るものでした。不思議とずっと聴いていると全体のバランスが良くシングルならではの濁りのないクリアさも合間って…低音部もこれくらいのがいいんじゃないかなぁ…とさえ思えるくらいでした。それと特筆すべきは「First Love」でのゾクゾクするようなボーカルの表現力です。切なく生々しい息使いが感じられて最高です。女性ボーカルには最高ですね。
BABYMETAL:BABYMETAL
個人的に愛して止まないBABYMETALの伝説の1stアルバムを試聴してみました。音楽ジャンル的にはUM Pro 10には一番厳しい所だと思いますがあえて聴いてみました。元々音の厚みが凄い上に重低音が満載なので大丈夫かなぁぁ?と思いつつ試聴。ファーストインプレッション的にはやはり一番底の重低音部分が弱いかな…とも思いましたが、聴いてるうちに気がつきました。ギター、ベース、ドラムの各楽器の音の分離が凄いのです。シングルBAならではの濁りのないクリアな音質ならではのヌケのよいサウンド。安物のイヤホンやマルチドライバ機だとどうしてもゴチャついてしまう部分があったのですが、それがすっきりとクリアに!今まで、なんてゴチャついた濁った音を聴いてきたのか…耳からウロコ…的な状態でした。さらには、ここでも特筆すべきはボーカルの表現力。確実に一歩前に出てくる感じ。「Akatsuki」でのSU-METALのボーカルに改めてうっとりです。まるで今までと違う音楽を聴いているかの様な違いです。UM Pro 10のボーカルの再現力はほんとうに素晴らしいの一言です。
Flight to Denmark:デューク・ジョーダン
デューク・ジョーダンのピアノトリオの超名盤「Flight to Denmark」を試聴してみました。ピアノとベースとドラムというシンプルな構成…繊細なピアノの表現も麗しく…高音部も耳に刺さるギリギリのところで鳴らし切ります。シンバルのアタック音、ブラシのスネアの音…音数が少ないだけに各楽器の表現力が求められるアルバム。UM Pro 10のクリアで分離の良さはジャズにぴったりですね。シングルBA機ならではの繊細で緻密な表現力の実力発揮ですね。時間を忘れて聴き込んでしまいそうです。
Westone UM Pro10まとめ
Westone UM Pro10…シングルBA機という事で主に低音の表現がどれくらい出来るのかが気になっていましたが、充分満足出来る内容でした。それよりも、シングルならではの濁りのないクリアな澄み切ったサウンドに今まで自分はどんなにゴチャついた音を聴いてきたのだろうか…と耳からウロコが落ちるくらいの感じでした。最近は低音重視のイヤホンが多いですが、Westone UM Pro10はそれらと相反する完成度で音楽を聴くことを楽しませてくれると思います。クリアでバランスの良い「音」それがWestone UM Pro10だと思います。憧れのWestoneの中ではボトムラインで手が出しやすい価格帯なので、シングルBA機の音に興味がある方には超オススメです。